野球の教科書には決して出てこない 「おかわり流グリップ」の秘密

[ 2011年2月11日 08:19 ]

右手小指をバットから外し、ヘッドを利かせる中村のグリップ

 2年ぶりに本塁打王のタイトルを狙う西武・中村剛也内野手(27)が、人並み外れた飛距離を生み出す源は右手のグリップにあった。ほとんどの打者は両手でしっかりとバットを握るが、中村は右手の小指を左手の人さし指にかぶせるように握る。ヘッドを利かせることにつながるという「おかわり流グリップ」の秘密に迫った。

 野球の教科書には決して出てこない握り方だ。写真を見れば一目瞭然。中村の右手小指はバットを握っていない。「こうやって握ることでバットのヘッドが利くんです。バットを長く使える感覚もありますしね」と狙いを説明する。

 大阪桐蔭2年時に右手小指を骨折したことがきっかけだった。痛みの残るうちから打撃練習を再開したが、小指をかばうために同グリップを試した。打った時の感触が良かったために、患部が完治した後も継続している。

 曲がりの小さな変化球が主流となった現代野球では、打者は球をできるだけ引きつけて後ろの手(右打者なら右手)で押し込むことが重要とされている。中村はそれを小指抜きで行っていることになる。「僕は右利きですし、力を入れようと思わなくても勝手に力は入るので、右手は意識していないんです。それに小指はそんなに使わなくてもいいですから」と自身の打撃論を分析する。

 土井ヘッド兼打撃コーチは「中村の良さは構えた時に右手に力が全く入っていないところ。インパクトの瞬間だけ力が入るのは、いい打者に共通している」と評しながら「誰でも同じようにできないけどね」と続けた。

 ケガの功名から生まれた「おかわり流グリップ」。特大弾を量産する秘密は、意外にもバットを握らない右手小指にあった。

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