田沢 緊急昇格即デビューでサヨナラ被弾

[ 2009年8月9日 06:00 ]

<ヤンキース・レッドソックス>延長15回、アレックス・ロドリゲスにサヨナラ本塁打を浴び、喜ぶヤンキースナインの横をベンチへ引き揚げる田沢純一(手前)

 【レッドソックス0-2ヤンキース】レッドソックスの田沢純一投手(23)が7日(日本時間8日)、念願のメジャー昇格を果たした。田沢は同日の首位決戦、ヤンキース戦で0―0の14回から8番手で昇格即デビュー。15回、ロドリゲスにサヨナラ2ランを浴びて初黒星を喫したが、日本のアマ球界からプロを経ずに大リーグ入りして、1年目でメジャー昇格を果たしたのは史上初の快挙。松井秀喜外野手(35)を打ち取るなど、若さを前面に押し出した右腕の姿は今後の飛躍を感じさせた。

【試合結果


 23歳右腕は敗戦の責任を背負った。メジャー昇格して即デビュー戦、という甘えは田沢になかった。優勝を争うヤ軍に敗れたという重たい結果を、正面から受け止めた。
 「投手陣がつないできた中で続けなかった。投げた投手に申し訳ないという気持ちが強い。どんな場面でも応えたかった」。延長15回2死一塁で迎えた打者はロドリゲス。背番号63のルーキー腕はメジャー最高年俸3300万ドル(約32億円)の大スターに対しても真っ向勝負を挑んだ。直球を3球続け、147キロで内角も突いた。しかし4球目、甘く入ったスライダーを仕留められた。長い滞空時間の間に田沢は「素直に悔しいと思ったし、どうして打たれたんだろうと考えていた」と自己分析。試合後は「逃げたくなかった。大胆に行った結果ですが少し高かった」と振り返った。
 午前中、車を飛ばして合流した田沢についてフランコナ監督は「できればきょうは使いたくない」と話していたが、延長13回を終えて0―0。田沢以外に投手は残っていなかった。14回からマウンドに上がるといきなり松井と対戦。「小さい時からテレビで見ていた選手。胸を借りるつもりで投げた」。3球すべて直球勝負。93マイル(約150キロ)直球で中直に打ち取った。「直球でストライクを取るのは基本」。マイナーで指導されたそのままをぶつけた。首位を争うライバルの本拠地でのマウンド。マイナーでは一度も経験がない中継ぎ。マイナーのものより滑りやすいと言われるメジャー球というアウェー状態の中で無四球。サヨナラ弾を被弾したが、打者9人に対して7人に初球で直球を投じるなど、腕を振り続けた勇気にナインからは「グッドジョブ」と声を掛けられた。
 この日の35球はメジャー人生の第一歩。1年前まで日本のアマ球界でプレーしていた田沢だが、世界最高峰の舞台で209億円軍団を相手に一歩も引かなかった。「今はまだ分からないです…。でも、これをいい経験につなげないといけない」。試合後はホテルの自室にこもった。この1敗を無駄にしない。だからこそ、田沢は厳しく自分と向き合った。

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