G1周年記念競走展望

【徳山クラウン争奪戦】若武者3人衆もG1制覇へ虎視眈眈

[ 2013年9月10日 06:00 ]

◇下條雄太郎

 今期は勝率を大幅にアップさせた。3節前の地元大村の短期決戦では7戦6勝2着1本で地元初Vを準パーフェクトで締めくくった。「勝率8点に乗せたいけどなかなか…」と前検日に言っていたが、終わってみれば目標の8点をクリア。次の住之江ではまた8点をわずかに割ってしまったが、とにかくコーナー戦に成長が見て取れた。「今は伸びよりも回り足ですね。とくに回った瞬間の足。今はまくりはほとんどないです。まくり差しですね。それで1着が多くなりました」という。A1入りして最初に走ったG1は地区選手権。その後は新鋭リーグばかりでG1のあっ旋が入らなかった。そして今年は6月の芦屋周年を初経験。準優は惜しくも3着惜敗だったが、最終日は連勝で締めくくった。続く桐生周年は惜しくも準優を逃したが、予選最終日の(2)(1)は勢いが見て取れた。

 ボートレースは左旋回。右手でハンドルを回す。一発目のハンドルの入り方で視界も違うと聞く。スロットルレバーは左手で操作。右利きと左利き、どちらが有利なのだろうか。直線に入れば全開に握れるが、コーナーは微妙なレバー操作が必要という。篠崎元志は左利き。そして下條も左利き。微妙なコントロール。左利き有利ともいえる。今回、周年記念は3回目。目標は準優突破だ。

◇原田篤志

 ボートレース徳山は大きな節目を迎える。今回が60周年記念。いわば還暦を迎えるわけだ。純地元。デンと構える太華山の近くで生まれ育った原田。その太華山から見下ろす徳山プールで駆け回ることは夢だった。キビキビとした動作。整備にレースでも三斗の汗を流すことを惜しまない。地元意識も人一倍強い原田にとって徳山は思い入れもある。昨年のこと。原田は徳山で同じモーターに3度遭遇した。「こんなことってあるんでしょうか」目を丸くした。それもトップクラスのモーターに巡り合えたのだ。青木幸太郎と結婚し今は福岡支部に籍を置く魚谷香織の師匠だったのがこの原田。「アドバイスはしてました。でも、結果としては彼女の方がエンジンが出てることが多くって…」と苦笑いを浮かべた。お隣り、下関でのお盆レースでは優勝戦にコマを進め3着と好走した。連日、整備室で思考錯誤を繰り返し日増しにパワーを吹き込んだのは印象的だった。

 すっかりA1にも定着した原田。でもまだ夢の途上だ。地元プールで金的を射止め、太華山に向かって大きなガッツポーズをした時、小さな頃から描いた夢が花開くのだ。

◇今井貴士

 2013年、大ブレークしたのが今井貴士。

1月、若松で行われた九州ダービーで5コースから会心の捲り差しを決め59代九州チャンプの座に付いた。

 新鋭王座決定戦を含めG1戦5度目の優出で手にしたG1初V。この優勝が今井を大きく成長させた。

 自信、そして、勢いに乗って出場した総理大臣杯(平和島)で初日から(6)(3)(2)(1)(1)(1)(1)の成績でSG初優出を決めた。

 優勝戦は池田浩二がインから逃げ、今井は2着に終わった。SG初優出で初Vの夢は達成出来なかったが予選道中、そして、準優戦で見せた走りは圧巻だった。

 「これまでのSGは勉強の場。そんな意識があって自分のレースが出来てなかったと思う。でも九州ダービーを取ったことで自信を持って総理杯に出場出来たのが大きかった」。

 強いというより巧いが今井のイメージ。外柔内剛タイプだが着実に進化している。

 九州ダービー、総理大臣杯の活躍で獲得賞金の方も3636万8500円、23位に付けている。

 今期はやや調子を落としているが目指すは暮れの大一番、賞金王決定戦の出場切符だ。徳山クラウン、気合の走りに期待しよう。

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