ソフトバンク・モイネロ 初先発で8回2失点完投負けも手応え90球「球数も、内容にも満足しています」

[ 2024年3月31日 05:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク0ー2オリックス ( 2024年3月30日    京セラD )

<オ・ソ>5回、先制の2点本塁打を打たれ、舌を出しベンチに戻るソフトバンク・モイネロ(撮影・後藤 正志)
Photo By スポニチ

 ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(28)が、30日のオリックス戦(京セラドーム)で1軍公式戦で初先発した。5回に2ランを浴びて初黒星を喫したが、90球の“省エネ”で8回3安打2失点と初完投。降雨コールドを除く球団外国人の「初先発初完投」はダイエー時代の2000年4月7日、日本ハム戦(北九州)のラジオ以来24年ぶり。先発としての合格点をもらった。チームは零敗で、3年連続3連勝中だった開幕カードの連勝は10でストップした。

 モイネロの来日8年、307試合目の新たな挑戦は、見事に成功で始まった。初めてまっさらなマウンドに上がり、8回を投げ抜いて3安打2失点。初完投のおまけつきだ。

 「負けはしたけど8回を投げられた。個人として球数も、内容にも満足しています」

 序盤から、無双投球を続けた。5回先頭で4番頓宮にチェンジアップを左前打されるまで4回完全投球。「一人一人、一つずつアウトを取っていこうと思っていた」と1イニングを全力で押し切る昨季までのようにねじ伏せた。5回に初安打を浴び、1死一塁からセデーニョに152キロを右中間へ決勝2ランされたが、それ以外は二塁も踏ませなかった。球団外国人投手の初先発初完投は降雨コールドを除けばダイエー時代、00年ラジオ以来24年ぶりの出来事だ。

 17日のオープン戦(対西武)で5回1/32失点。104球を要した試合後、小久保監督から「追い込んだら三振取った方が、球数も少なくなるやん」と言われた。先発転向で多彩な変化球を駆使し、打たせて取る“料理”を意識したが“速攻”という逆転の発想だ。2回の頓宮、セデーニョはともに3球三振で「それがいい結果につながったよ」と“金言”を実感した左腕。4回まで40球、8回を90球と、不安視されたスタミナ面は球数減でカバーしてみせた。

 まさに先発モイネロとして一発回答もとい“完投”だった。0―2で敗れ、初黒星の試合後も小久保監督の機嫌は悪くない。「いやー、今年の初先発のチャレンジで最初にあんな投球してくれたら、もう来週以降も収穫です」と手放しで喜んだ。倉野投手コーチ兼ヘッドコーディネーターも「初先発とは思えないし期待以上。よくやった」と称え、中6日で登板させていく方向性を示した。次回は4月6日、再び敵地の楽天戦で登板予定だ。

 先発転向に合わせ、開幕前新たに4年総額40億円規模の大型契約を結んだが、その破格条件に見合うだけのパフォーマンスを見せた左腕は「カウントに気をつけて持ち味でアウトを取ることに集中したい」と前を向く。次こそは必ず、先発初白星をつかみにいく。(井上 満夫)

 ○…来日初先発だったモイネロが8回完投。ソフトバンクの外国人投手が「初先発初完投」するのは09年6月6日の広島戦(マツダ)でジャマーノが記録して以来15年ぶり。ジャマーノは6回2安打1失点で7回表降雨コールドとなり「完投」が記録された。降雨コールド以外の「初先発初完投」はダイエーだった00年4月7日の日本ハム戦(北九州)のラジオが最後。ジャマーノ、ラジオはともに勝利投手。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年3月31日のニュース