巨人 83年ぶり開幕2戦連続完封 強心臓のドラ1・西舘が呼んだ!7回の同点ピンチで火消し

[ 2024年3月31日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人5―0阪神 ( 2024年3月30日    東京D )

<巨・神>7回1死一、三塁から登板し、同点のピンチを無失点に抑えて笑顔でベンチに戻る西舘(撮影・西川 祐介)
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 準備はできていた。3―0の7回1死一、三塁。一発が出れば同点のピンチで、ドラフト1位・西舘がマウンドに上がった。代打・糸原に対しフルカウントからの6球目。四球も頭をよぎる場面で、思い切り腕を振った。

 「四球を出すイメージはなかった。ゾーン内に自分のボールを投げて、押し込めればと思っていた」

 150キロの高め直球で押し込み浅い左飛。阿部監督の教え通り、全力で捕手のミットをめがけた。ど真ん中に投げ込んでも打たれないボールの力強さを求めてきた、指揮官のイズムを体現。続く近本はカットボールで右飛に封じ、開幕戦に続きホールドをマークした。

 140キロ前後のカットボールが支えになっている。「直球だけにならないように」と、相手に的を絞らせないための球種でもある。

 「大学のときもほとんど捕手に任せていた。悪く言えば機械的かもしれないんですけど…」という右腕。ただプロに入って、一度だけ捕手のサインに首を振ったことがある。9日のオリックスとのオープン戦。セデーニョをフルカウントからカットボールで空振り三振に仕留めた場面だ。その一球が、自信を深めたボールになった。

 点差が開いた8回はバルドナード、9回は堀田がともに3者凡退で締めた。開幕から2試合連続の完封勝利は、球団では1941年以来83年ぶり快挙。阿部監督は「バッテリーが我慢して我慢して先に点をあげなかったのが一番。(西舘は)勝ちパターンの7回で行くという役割は、本人も分かっていると思う」。昨年、リーグ5位のチーム防御率3・39だった投手陣は、着実に変わりつつある。(川島 毅洋)

 ≪開幕連続イニング無失点記録は「25」≫巨人の開幕2試合連続完封勝利は1リーグ時代の41年大洋戦、黒鷲戦で記録して以来83年ぶり2度目。同一球団相手では初めてだ。これで開幕18イニング連続無失点。開幕からの連続イニング無失点は40年阪神、96年近鉄の25イニング。前回の巨人は開幕3試合目(南海戦)の初回に失点し18イニング止まり。今回はどこまで伸ばすか。

 ▽巨人1941年の開幕2戦連続完封勝利 4月3日の大洋戦(後楽園)は先発・スタルヒン(当時は須田博)が3安打完封勝利。水原茂が初回に先制アーチを放ち、3―0で勝利した。翌4日の黒鷲戦(後楽園)は先発・沢村栄治が5安打完封。3回には自ら右中間三塁打と投打に活躍し、6―0で快勝した。同年は15日の南海戦まで勝ち続け、開幕7連勝を飾った。

 ▼巨人・杉内投手チーフコーチ(西舘について)ストライクをちゃんと取れる。開き直って投げられている。

 ▼巨人・グリフィン(6回1/3を6安打無失点で今季初勝利)調子が良くなくても何とか粘って勝てたのは、自分にとって自信になる。

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