広澤克実氏 現状打破へ、阪神・佐藤輝は狙い球を定めよ 大山は体調を万全に戻せ

[ 2024年3月31日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0ー5巨人 ( 2024年3月30日    東京D )

広澤克実氏
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 【広澤克実氏 視点】試合を何とか動かしたい、と阪神・岡田監督は動いた。4回1死一、三塁からスクイズで先制点を取りにいった。結果は坂本の小飛球に岡本和が飛びつき、三塁走者・大山は戻れずに併殺。この2試合、巨人には運があり、阪神には運がなかった。明暗は分かれた。

 岡田監督は試合後に「セーフティーよ」と語ったそうだが、大山だけでなく佐藤輝もスタートを切っていたし、坂本も全ての球に対応しようとしていたから小飛球になった。作戦的なことは動きから推測するしかないが、点を取りにいって取れなかったのは事実。グリフィンの球がもう少し低ければ、坂本のバントは決まり、試合の流れは変わっていたと思う。

 最下位だったオープン戦の成績については、私も含めて、関係ないと見ていた。だが、この2試合を見ると、まだオープン戦の時期と状況は変わっていない。日本一になった達成感の余韻はどうしても残る。93年に野村ヤクルトで日本一になった翌年は4位に終わった。正直なところ、ホッとした気持ちのまま次のシーズンに臨んだのを思い出す。

 だが、今年の阪神が同じ道を進むとは思わない。戦力的には、No・1の投手力と、いい打線を持っている。スタートが悪くても、5月には順当にトップに立つ力は持っている。この2敗は余韻に浸る気持ちにお灸をすえられたと思って、焦らずにベストな状態で試合に臨むしかない。

 そのためにも、それぞれがやるべきことがある。
 「近本、中野は今の状態をキープすること」
 「森下は強打と軽打の使い分けに取り組むこと」
 「大山はとにかく体調を万全に戻すこと」
 「佐藤輝は遅い球を狙うのか、速い球を狙うのか、根拠の中で狙い球を決めること」

 シーズンはまだ始まったばかり。勝った巨人にも甘い部分はある。浮き足立つ必要はない。(本紙評論家)

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