広島・新井監督が「策士」になった!? 開幕2戦目先発予定の森下を3回で交代「球種は隠しとかないと」

[ 2024年3月17日 05:45 ]

オープン戦   広島3ー2DeNA ( 2024年3月16日    マツダ )

<広・D>選手交代を告げにベンチを出る広島・新井監督 (撮影・奥 調)
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 広島・新井貴浩監督(47)が策士!? になった。本拠地にDeNAを迎えた16日の開幕前哨戦で先発させた森下暢仁投手(26)を予定より早い3回37球で交代。2週間後に控える30日の開幕第2戦(横浜)での起用を念頭に手の内を隠す狙いがあったことを明かした。「包み隠さずオープンにいく」としていた前言を堂々撤回。DeNAの積極走塁に対しても3度の盗塁阻止などで布石を打った。

 新井監督はいつもの笑顔に不敵な気配を少し交ぜたように映った。3回を投げ終えてベンチに戻ってきた森下に「もういいだろう」と言葉をかけた。5回80球を目安にした今春オープン戦2度目の登板。まだ半分にも満たない37球しか投げていなかった。アクシデントではない。

 「いい投球だったし、開幕カード(第2戦)で投げてもらうことは決まっているので、“3回で、もういいだろう”ということで代えた。投げてない球種もありましたから、それを見せないように。球種は隠しとかないと」

 開幕第2戦に予定する森下を「うちはすべて包み隠さずオープンにいきます」と前哨戦に送り出しながら、臆面もない前言撤回だった。森下は5年目の今春にスライダーを導入し、チェンジアップを改良。直球を軸にカットボールなど打者11人で交代するまで持ち球全てを使ったようにも見えた。「投げていない球種」という説明そのものが陽動の可能性さえある。

 森下はルール上、降板後は球場ブルペンで投げられないため、室内練習場に場所を移して30球を追加した。「嫌な感じはなく投げられた。あとは開幕に合わせて、いい準備をしたい」。本番までにリーグが異なるソフトバンク戦でもう一度の登板を予定し、準備に支障はない。

 DeNAの積極走塁に対しても激しく攻防した。広島でも指導歴のある石井コーチが今季から一塁ベースコーチを兼任。1盗塁を許した一方で盗塁阻止は3度を数え、うち2度は一塁けん制で誘い出した。9回無死一、二塁では栗林がサインプレーでの二塁けん制で二塁走者を刺した。

 「一塁コーチに(石井)琢朗さんが立っているので何をやってくるか、分からない怖さ、緊張感がある。琢朗さんとは一緒に選手とコーチでプレーしてますんで。その琢朗さんが一塁コーチャーにいるんで」

 既に始まった駆け引きを楽しんでいるようだった。選手思いの“いい人”だけではない。昨季2位からの頂点へ。就任2年目は新たな顔が見られそうだ。 (長谷川 凡記)

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