阪神・右京 「開幕左翼」諦めない 3戦ぶり先発でマル撃ち適時打 バット折りながらも「気持ちで打った」

[ 2024年3月17日 05:15 ]

オープン戦   阪神3ー4中日 ( 2024年3月16日    バンテリンD )

<中・神> 9回、適時打を放ちポーズを決める阪神・前川(撮影・大森 寛明)
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 阪神・前川は初球スプリットにバットを折っても一、二塁間を抜いた。昨季9試合で対戦防御率0・00を許したマルティネスに自責点をつけ、1点差に迫る一打で存在感を示した。

 「昨日(15日)も対戦してアウトだった。今日は昨日の反省をちゃんと生かして、ゾーンをしっかり打つという気持ちで打った」

 2点劣勢の9回。1死から植田、高寺に3連打で続いた。前夜も同じ9回に1死一、三塁でマルティネスと対戦。2ストライクから3球目の低めスプリットを捉えた一直は中田の好捕に阻まれ、惜しくも併殺を取られた。

 通算123セーブの難敵と2日続けて似た状況で顔合わせすることは、腕試しのオープン戦では幸運と言っていい。半日前は初球スプリット、2球目151キロを続けて空振りしていた。捕手は木下と加藤匠で違っても、二者択一の読み合いで同じ初球の入りを仕留めた。

 昨季唯一の黒星をつけた5月3日の2得点は失策絡み。1軍デビューした18年以降の6年間のレギュラーシーズンで阪神は計8得点しか挙げていないこと、オープン戦では来日8年通算11試合目で初失点だったことなど、マルティネスの難攻不落ぶりは、前川の一打の価値を上げるばかりだ。

 岡田監督は驚かない。「あんまりつこてなかったからのう。使うたら打つよ。外野(の争い)が激しいからなあ。それだけよ」。先発出場は3試合ぶり。左翼ではなく右翼だった。ノイジーが実戦調整として打席を増やすだけにアピール機会を逃すわけにはいかなかった。3打席目までは2三振と1四球。8、9回の2打席で快打2本を取り返した。「ダメなまま、終わらなかったのは良かった」。開幕左翼争いはまだ決着していない。(石崎 祥平)

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