【全文】最後までマッチらしい涙と笑顔の引退スピーチ「チョーさん、勇人、丸くん、誠司、菅野くん…」

[ 2023年10月1日 21:42 ]

セ・リーグ   巨人1―0ヤクルト ( 2023年10月1日    東京D )

<松田 引退セレモニー>松田(中央)はナインとともに”アツオォー!”ポーズを決める (撮影・西川祐介)
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 今季限りで現役引退する巨人の松田宣浩内野手(40)が1日に「引退選手・特例登録」適用で出場選手登録され、同日のヤクルト戦(東京D)で「6番・三塁」に入って先発出場。2打席に立って6回の守備からベンチに下がり、18年間のプロ野球人生に別れを告げた。

 チームが1―0で勝利を収めたあとには引退セレモニーが行われた。まずはこれまでの功績をまとめた映像が場内に流され、続いて小久保裕紀氏(51)、工藤公康氏(60)、秋山幸二氏(61)、王貞治氏(83)とソフトバンク時代の恩師4人からVTRでメッセージも届けられた。

 松田の引退スピーチは以下の通り。

 まず始めに、私のためにこのような引退セレモニーを用意していただいた読売ジャイアンツ、原監督さん、コーチの皆さん、スタッフの皆さん、最後まで残っていただき、本当にありがとうございます。

 球団関係者の皆様には、1年しかプレーしていないこの私にこのような素晴らしいセレモニーを用意していただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。

 きょうでプロ野球選手として、最後の日となりました。今シーズン限りでユニホームを脱ぎます。原監督さんと球団関係者の皆様とのご縁で読売ジャイアンツの一員として今年1年、プレーすることができました。結果は出なかったですが、これまでやってきたことを信じて、元気を出して、一生懸命頑張ることができました。

 読売ジャイアンツ1年、福岡ソフトバンクホークス17年。この18年という期間は私にとって夢のような時間でした。本当にありがとうございました。

 私はジャイアンツに入団して、2つの思いをかなえさせていただきました。まずは40歳までプレーするということです。プロ野球に入ったころ、とにかく40歳までプレーする、その目標を立て、今回目標を達成することができました。

 もうひとつは、プロ野球選手ですが、誰もが野球少年で必ず憧れであったり、応援している選手がいたと思います。私の家族は、家族全員がジャイアンツファンで(スタンドどよめく)、子供のころ、ご飯を済ませ、勉強を済ませ、野球を終わらせて、テレビの前でジャイアンツを応援していました。

 東京ドームでジャイアンツの選手がプレーすることが、小さいころ、本当に憧れていました。原監督さんの引退試合のホームランは今でも記憶に残っています。当時、小学生でした。原監督さん、本当にありがとうございました。

 18年間という間、たくさんの方と出会い、たくさんの方に支えられてここまでプレーすることができました。この場をお借りして感謝の気持ちを伝えたいなと思います。

 まずは両親です。父には、野球というスポーツを最初に教えていただき、本当にうれしく思いました。母には、40歳までプレーする丈夫な体に生んでいただき、育てていただきました。本当にありがとうございました。これからはですね、たくさんの孫たちがいるので、孫とゆっくり、いっぱい遊んでください。

 そして家族です。妻とはプロ野球生活のスタートから最高のパートナーとしてスタートしました。今年は単身(赴任)ということもあり、子供のことを全部任せっきりになってしまいました。昨年までは試合が終われば食事を済ませ、2人でバッティングのことを反省しました。ああでもない、こうでもないと2人で反省しながら次の日の試合に挑んでいました。本当に妻の存在が私のパワーになりました。これからもよろしく。本当にありがとうございました。

 2人の子供たちへ。とにかく毎日笑顔で接してくれて、本当にパワーをいただき、毎日会うことによって「熱男」の充電ができました。これからは1人の父親としてしっかりサポートしていく側へ回りたいなと思います。これからもよろしく。本当にありがとう。

 もう1人は、双子の兄です。小学校、中学校、高校と同じユニホームを着て、同じ目標に向かって野球をしていました。常に兄が1つ前にいる存在でした。兄のおかげできょうまでプレーすることができました。これからはですね、双子の兄として、これからもよろしくお願いします。本当にありがとう。

 「熱男」という言葉にも、感謝の気持ちを伝えたいなと思います。「熱男」という言葉に出会い、ジャイアンツでも「熱男」という言葉とともに頑張ってきました。今でも私の大好きな言葉です。これからもよろしく。ありがとう。

 ジャイアンツファンの皆さんにも感謝の気持ちでいっぱいです。1年しかプレーしていない、この私に、東京ドームでも、ジャイアンツ球場でも、常に大きな声援をいただきました。本当にうれしかったです。ありがとうございました。

 ファンの皆さんに2つ、お願いがあります。ジャイアンツには目をギラギラ輝かせて頑張っている選手がたくさんいます。私も若いころ、ファンの皆さんの声援で成長することができました。来シーズン以降、そういった選手たちの成長もファンの皆さんの声援で変わってくると思います。選手を温かく見守ってあげてください。よろしくお願いします。

 チョーさん(長野)、勇人(坂本)、丸くん、誠司(小林)、菅野くん。侍ジャパンで同じユニホームを着て頑張ったメンバーとまたジャイアンツのユニホームでプレーできたこと、本当にうれしく思います。ありがとうございました。これからも自分らしく頑張っていってください。

 もう1つあります。私はジャイアンツのユニホームを着て、この東京ドームでホームランを打って「熱男」をするという夢を持ちながら練習しました。この夢に関してはかなうことができず、現役を終えますが、最後、皆さんで、最高の「熱男」で締めたいなと思います。

 私が「せーの」っていうので、「熱男」という言葉で、右手を高く上げてやっていただけたらうれしいと思います。よろしいですか?

 よろしくお願いします。最高の、最高の「熱男」をよろしくお願いします。

 いきます!せーの!熱男ォォォォォ~~~~~!!!!!

 私はきょうをもちまして、現役を引退します。ユニホームを脱ぎます。私の野球人生、皆さんのおかげで本当に熱く、幸せな男・松田宣浩にしていただきました。本当に18年間、ありがとうございました。
 

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