大阪桐蔭に両投げの天才現る！センバツで左の外野手だった徳丸が堅守右投げ三塁手に　打撃で8強貢献も

高校野球秋季大阪大会   大阪桐蔭3－2近大付 （ 2023年9月30日    シティ信金スタ ）

＜大阪桐蔭・近大付＞三塁手として先発出場し、打球に反応する大阪桐蔭・徳丸（撮影・河合　洋介）
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　大阪大会では5回戦8試合が行われ、大阪桐蔭が近大付に3―2で9回サヨナラ勝ち。準々決勝に進出した。これまで左投げの右翼手としてレギュラーを務めてきた両投げの3番打者・徳丸快晴（2年）が、三塁手として公式戦初先発。打っては先制打を放ち、守備でも右投げで打球を無難に処理するなど、攻守で勝利に貢献した。

　背番号9の徳丸が三塁に入った。そのことを問われた西谷浩一監督は、さらりと言った。「両投げをうまいこと生かそうと思いました」。1年秋から「3番・右翼」を担う高校通算24本塁打の注目選手。内野で出場したことが驚きなのではない。今夏まで左投げだったはずの外野手が左手にグラブをはめ、右腕で投げ始めたのだ。

　「本当に飛んでこいと思っていましたよ。少しずつうまくなっているかなと思います」

　体調不良者が出た影響で両投げの出番がやってきた。2週間前から二塁や三塁で内野ノックを受け始め3、4回戦は最終回のみ三塁に入った。そして迎えた三塁での初先発。6回先頭打者のゴロと5回1死一塁での凡飛を難なくさばいた。

　プロフィルには、両投げと書き続けてきた。「練習したわけではない」と気づけば両投げだった天才だ。遠投は左が100メートルで右が85メートル。箸を持つ手など私生活は全て右利きながら、黒板に文字を書く時だけ左でチョークを握る不思議な感覚の持ち主でもある。
　打席は左。初回1死三塁で先制の中犠飛を放った。「夏の（大阪大会）決勝に負けてからの練習が生きていると思います」。5年連続の選抜大会出場へ、グラブを右に左に持ち替えて躍動する。（河合　洋介）

　〇…大阪桐蔭の「2番・右翼」で出場した境亮陽（2年）がサヨナラ打を決めた。2―2の9回1死三塁で飛距離十分の中犠飛を放ち、「外野フライでも点が入る場面。気楽な気持ちで入りました」と振り返った。背番号7で外野のレギュラーながら、右腕投手としても最速144キロを誇る。守備では、2―0の6回2死二塁から右前打を処理し、本塁で補殺。西谷監督は「今日はいいところで彼がやってくれました。ぐいぐい引っ張ってほしい」と信頼を寄せた。