8月30日時点で借金生活でも、シーズンの得失点差-53でも、マーリンズがPO進出

[ 2023年10月1日 13:02 ]

 ポストシーズン枠が22年から各リーグ6球団に拡大された恩恵と呼ぶべきなのだろう。8月30日の時点で66勝67敗と負け越し、プレーオフ出場確率は11%まで落ちていたマーリンズが、そこから18勝9敗の快進撃でワイルドカード枠でのポストシーズン進出を決めた。

 一方、同じ日に71勝62敗だった鈴木誠也のカブスは、そこから12勝16敗と調子に乗れず、逆転されてしまった。シーズンを通しての得失点差は-53で、決してチーム力が高いわけではない。サラリー総額22位のチームでスター選手も限られている。しかし+100のカブス、+103のパドレスを上回った。84勝のうち、48・8%は逆転勝ち、1点差勝ちが33試合と接戦に強かった。

 とはいえブルペンの防御率も4・35で全体20位でしかない。先発投手は去年はエースのサンディ・アルカンタラがいたが、現在は負傷者リスト入りしているし、今季は7勝12敗、防御率4・14だった。就任1年目のスキップ・シューメーカー監督はこの日のパイレーツ戦でオープナーを起用、8投手の継投で7-3で勝ったように、投手陣をなんとかやりくりして、9月の快進撃につなげた。9月は決して楽なスケジュールではなく、ドジャース、フィリーズ、ブレーブス、ブルワーズとのシリーズを制した。

 9月にチームをけん引したのはあえて言えば打線だろう。過去30日のチーム打率・270は全体2位。打率・354で首位打者当確のルイス・アラエスを筆頭に、ジャズ・チザム、8月1日のトレードデッドラインで獲得したジェーコブ・バーガー、ジョシュ・ベルらが活躍した。とはいえその期間の得点数は134点で全体15位でしかない。だからマーリンズは決してポストシーズンに相応しい強いチームとは呼べない。しかしながら昨季も終盤に調子を上げ、ポストシーズンに滑り込んだフィリーズが10月も好調でワールドシリーズまで勝ちあがった。短期決戦は何が起こるかわからないのである。

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