ソフトB・栗原「シン・熱男」への始まり 三塁志願の理由「松田さんの穴埋めたい」

[ 2022年11月5日 05:01 ]

守備練習する栗原(右は今宮)(撮影・岡田 丈靖)
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 副主将の“シン・熱男”への序章が始まった――。来季の三塁挑戦を明言しているソフトバンク栗原陵矢外野手(26)が宮崎秋季キャンプ第2クール2日目の4日、初のランチ特打に加えて今宮健太内野手(31)と三塁守備練習を敢行した。今春の左膝手術後の経過は順調で、今季限りで退団した松田宣浩内野手(39)の穴を埋めることが「三塁志願」の理由だったと明かした。

 
 捕手で入団し、今季までは外野手登録だった。来季からは副キャプテン就任とともに内野手転向が予定される栗原は、人一倍、大声を出してアップから引っ張る。秋季キャンプ2日目、三塁手挑戦への本心を明かした。

 「松田さんの穴を少しでも埋めたいというのが、自分の中で大きい。元気を出してやりたい思いからです」

 プレーだけではなく元気と存在感が、トレードマークだった「熱男」になりたい。今季4月に左膝前十字じん帯再建手術などを受けた後、懸命なリハビリを経て7カ月ぶりに1軍合流。その間、松田は構想外となって球団を去った。居なくなって存在の大きさを知る。埋めるのは自分だと、強く心に誓った。

 パ・リーグの三塁手で歴代最多8度のゴールデングラブ賞を受賞。まずは守れなければ後継者にはなれない。この日、午後には今宮と2日連続で守備練習。コンビを組む名遊撃手から、三塁守備のノウハウを吸収した。捕球用に手のひらサイズの小さな専用グラブを使用。「グラブの芯で、しっかりと捕球すること。今宮さんからはすべてを盗んで、学ばせてもらっています」。不慣れな三塁だが、松山秀明内野守備走塁コーチも「まあ器用だし、やれるっしょ!」と太鼓判を押した。

 本家は17年で通算1831安打、301本塁打、991打点と打っても凄い。栗原もリハビリ中に並行した筋トレ効果もあり、長打力が急成長。45分間のランチ特打では134スイングし、ライナー性での柵越え4本を含む鋭い打球を連発。藤本監督も「打つ方はまったく問題ない。この(秋の)メンバーの中ではレベルは違います」と目を見張った。

 「振る力は100%に近いし、膝は70~80%まで来た。まだまだレギュラーではないので来春から獲りにいく」と栗原。まだまだ完全体ではないが、来季の活躍を期待せずにはいられないアピールが続く。柳田主将を支える役割も意識し「チームを引っ張る自覚と責任を持ってやりたい」と言った。何かが、変わってきた。“熱男”を継ぐ者として、これほど適任はいない。(井上 満夫)

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2022年11月5日のニュース