二松学舎大付 エース辻が投打で活躍、7回途中1失点&中押し2点三塁打 3季連続甲子園導いた

[ 2022年7月31日 04:30 ]

第104回全国高校野球選手権東東京大会決勝   二松学舎大付5ー1日体大荏原 ( 2022年7月30日    神宮 )

<二松学舎大付・日体大荏原>2年連続5度目の甲子園出場を決め、歓喜する二松学舎大付ナイン(撮影・佐久間 琴子)
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 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場を懸けた地方大会は30日、4地区で決勝が行われた。東東京大会は二松学舎大付の左腕・辻大雅投手(3年)が、7回途中1失点の好投に加え、6回には左中間2点三塁打。投打で2年連続5度目、3季連続甲子園出場に貢献した。31日は西東京大会決勝が行われ、全49代表が出そろう。

 我慢の日々が報われた。背番号1の左腕・辻は、試合終了と同時にベンチから走り出した。マウンドにできた歓喜の輪に加わる。チーム初の3季連続甲子園。左手を夏空に向け、高く突き上げた。

 「ケガした時に1番を背負えるとは、思っていなかった。背負えたうれしさと、甲子園に行けるうれしさがあります」

 決勝の大一番で7回途中5安打1失点の好投。0―0の3回は2死三塁のピンチを招いたが「ここで抑えなきゃ勝てない」と3番打者を左飛に打ち取り、直後の先制点への流れを生んだ。打っては2―0の6回1死二、三塁から、直球を捉えて左翼手の頭上を越える2点三塁打。「打撃は自信がない。あんな打球が打てるとは」と照れたが、投打でチームの勝利に貢献した。

 高1だった昨年3月。左肘に違和感を覚えた。病院では疲労骨折の診断。ノースローのリハビリが続き、グラウンドで練習する仲間をうらやましく思ったこともあった。それでも「“ここで無理して得られるものがあるのか”と考えて、それがなかった」と治療とリハビリに専念。グラウンドの端を黙々と走り続けた。

 復帰して背番号11で臨んだ今春選抜は、聖光学院(福島)との初戦で救援登板も、2/3回を投げ2失点。悔しさだけが残った。選抜後は球威を上げるために毎晩1・2キロの白米を平らげ、体重は7キロアップ。努力が実った今夏は、初めてエースナンバーを奪った。直球の最速は選抜前後の129キロから、143キロまで一気に飛躍。この夏は計4試合に先発し、ヤマ場だった帝京との準決勝でも6回途中4失点と粘投を見せた。

 昨年はスタンドで見守ることしかできなかった辻が、夏の主役をつかんだ。「最少失点で抑えれば打者陣がやってくれる。自分の投球をするだけ」。不屈のエースが次に目指すのは、チーム初の夏の甲子園2勝だ。(田中 健人)

 ◇辻 大雅(つじ・たいが)2004年(平16)8月29日生まれ、神奈川県藤沢市出身の17歳。5歳で野球を始め、小1から村岡フェニックスに所属。藤ケ岡中時代は湘南ボーイズでプレー。二松学舎大付では今春選抜からベンチ入り。憧れの投手はDeNA・今永。1メートル83、83キロ。左投げ左打ち。

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