大阪桐蔭 浪商もPLも超えた6季連続V チーム初の秋春夏全国3冠へ西谷監督「喜びを持って暴れたい」

[ 2022年7月31日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権大阪大会決勝   大阪桐蔭7―0履正社 ( 2022年7月30日    大阪シティ信用金庫スタジアム )

大阪大会の決勝で履正社に勝利し、喜ぶ前田(左から3人目)ら大阪桐蔭ナイン(撮影・平嶋 理子)
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 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場校を決める地方大会は30日、4大会で決勝が行われた。大阪大会では大阪桐蔭が履正社を下し、2年連続12度目の夏切符を手にした。先発の来秋ドラフト候補左腕・前田悠伍(2年)が8回7安打無失点と好投。全国屈指の激戦区・大阪を6季連続で制し、松坂大輔を擁した98年横浜以来、史上2校目の秋春夏全国3冠へ挑む。

 類いまれな能力の上に気持ちを乗せ、宿敵を封じ込めた。大阪桐蔭・前田が、準決勝まで6試合41得点の履正社打線を相手に8回7安打無失点。9回は背番号1の川原嗣貴(3年)に譲って零封リレーし、08年夏の大会計2失点を上回る同校史上最少の計1失点で頂点に立った。20年秋から浪商、PL学園を超える大阪大会6季連続制覇を果たし「大阪史上最強」の称号を襲名。同校初の秋春夏全国3冠への挑戦権を得た。

 「ずっと決勝に向けて準備してきた。7、8回を粘れたことが良かったです」

 2年生左腕が自らリズムをつくった。初回1死一塁。カウント0―1から3球連続でけん制を入れ、同1―2からのけん制で走者を刺した。「いけるな、と。ここは刺そうという場面で決めることができた」と会心のマウンドさばきで、準決勝まで計23盗塁を誇った履正社の機動力を封じた。7、8回はそれぞれ1死一、三塁、2死一、三塁のピンチを招いたが動じない。8回は7回に左越え二塁打を浴びた冨安海来(3年)をこん身の直球で空振り三振に仕留めガッツポーズ。自己最速を2キロ更新する148キロでねじ伏せた。打っても適時打2本と躍動し、勝利に貢献した。

 球場へ向かう移動のバスの席は、前田の後ろに今秋ドラフト候補の女房役・松尾汐恩(3年)が座ると決まっている。いつもは後ろから背番号2が頭や体を触るなどじゃれ合っているというが、この日はそれがなかった。「気持ちが入っているんだな」と思いを感じ取っての快投。「3年生にとっては最後の夏の甲子園。絶対に勝ちたいという3年生の強い気持ちを、どれだけ自分が上回れるか」と初の夏の聖地へ向けた気概が頼もしい。

 西谷浩一監督も「秋春夏(連続制覇に)に挑戦したことがない。先輩たちができなかったこと、やれなかったことに挑戦できる喜びを持って暴れたい」とキッパリ。まさに横綱の勝ちっぷりだった。(北野 将市)

 《過去達成は松坂の横浜だけ》▽98年の横浜(神奈川) 97年夏の神奈川大会準決勝では2年生・松坂大輔のサヨナラ暴投で横浜商に敗退。新チームとなった秋季大会から連勝が始まり、秋の関東大会、明治神宮大会で優勝。98年選抜、夏の甲子園でも優勝した。さらに国体も制して、1年間公式戦無傷の44連勝で全国大会4冠を達成した。

 ▼中日・平田 甲子園出場おめでとうございます。プレーボールからゲームセットまで、最初から最後まで悔いのないプレーをして、優勝に向かって頑張ってください。

 ▼中日・根尾 甲子園出場おめでとうございます。秋、春、夏3連覇を目指して頑張ってください。応援しております。

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