山育ち駒大1年山川 山を好走「絶対1位でゴールすると決めていた」

[ 2023年1月3日 05:09 ]

第99回東京箱根間往復大学駅伝 往路 ( 2023年1月2日    東京・大手町~神奈川・箱根町5区間107・5キロ )

5区で先頭を走る駒大の山川
Photo By 代表撮影

 駒大の伏兵が、19年ぶりとなる往路のゴールテープを切った。5区・山川拓馬(1年)は当日起用での箱根デビュー戦。数日前に走る可能性を伝えられ「初めての箱根。絶対1位でゴールすると決めていたので良かった」と振り返った。

 2キロで青学大・脇田を突き放したが、中大の阿部の猛追を受けた。十数秒差まで詰められたが、監督車から拡声器で叫ぶ大八木監督の「気持ちがないと優勝できない!」という言葉に奮起。上りきった後の最後の下りで何とか振り切った。「前半、飛ばし過ぎると全く動かなくなる。改めて箱根5区の厳しさを学んだ」と語った。

 長野県中部にある山間部の箕輪町出身。実家は標高700メートルにあるという。「山に多く囲まれているところで生活していた」。昔からでこぼこ道を走るのが大好きだった。ランニング中に熊や猿に遭遇したこともある。名門・佐久長聖高の推薦を蹴って地元の上伊那農高へ進学。山上りにうってつけの環境で育った力強い走りは、マラソン元日本代表の藤田敦史コーチの目に留まり、駒大に進んだ。

 入学前から山上りを熱望し、「自分の名字もあるので、山の神になりたい思いがあった」。1年目で区間4位。指揮官は「(山の神は)まだまだです。このくらいのタイムじゃ難しい」と苦笑いで期待を込める。駒大に新たなスター候補生が誕生した。

 ◇山川 拓馬(やまかわ・たくま)2003年(平15)7月30日生まれ、長野県箕輪町出身の19歳。上伊那農高3年時には全国高校総体1500メートル予選敗退、5000メートル16位。自己ベストは1万メートル30分27秒22。尊敬するアスリートは、地元出身で1万メートル元日本記録保持者の伊藤国光(現JFEスチール監督)。1メートル67、49キロ。

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2023年1月3日のニュース