早大競り勝った!「荒ぶる」へあと1つ V経験者・相良「必ず優勝して歌う」

[ 2023年1月3日 04:30 ]

ラグビー全国大学選手権準決勝   早大34―33京産大 ( 2023年1月2日    国立競技場 )

<京産大・早大>後半、伊藤がトライを決める(撮影・篠原岳夫)
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 早大は34―33で関西王者の京産大とのシーソーゲームを制し、2大会ぶりの決勝進出を決めた。5度もリードが入れ替わる激しい展開の中、後半にSH宮尾昌典(2年)やSO伊藤大祐(3年)が決定機を仕留める勝負強さを発揮した。また帝京大は筑波大から計11トライを奪い71―5で圧勝。8日の決勝は早大が3大会ぶり17度目、帝京大が2大会連続11度目の大学日本一を懸けて激突する。

 わずか1点差でも勝ちきる。シーズンが深まるに連れて成長曲線が急角度になってきた白いセカンドジャージーの早大が、ビッグゲームで勝負強さを発揮した。17度目の大学日本一へ挑戦権を手にした大田尾竜彦監督は「トライを取り切るべき時に取れたのが非常に良かった」と称えた。

 指揮官が「苦しかった時の宮尾のトライ」と試合のターニングポイントに挙げたのが、6点を追う後半14分。マイボールドロップアウトで蹴らずに自陣から攻め上がると、最後はSH宮尾が45メートルを走りきって1点勝ち越し。相手の虚を突くトライに、フランカーの相良主将も「ワセダはアタックマインドを磨いてきた。その結果があのトライ」と語った。

 再び2点を追いかける同27分には、後半途中からFBに回ったSO伊藤が個人技で裏へ抜け決勝トライ。7分後には足を痛めていたCTB吉村が執念でPGを決め、6分を残しセーフティーリードとなる8点差をつけた。外国出身の強力な突破役を4人そろえる相手が、セットプレーでミスを重ねたのとは対照的な試合運び。伊藤も「取り切る自信はあった」と自画自賛した。

 春はリーダーシップを発揮しきれない4年生に、下級生の主力が不満を募らせることもあった。対抗戦は2敗を喫し3位。チームに変化が生まれたのが、先月中旬の主力以外の4年生にとって最後の対外試合となる明大戦だった。2年のフッカー佐藤は「心に残る熱い試合を見せてくれた。4年生の力が大事だと思った」と言う。感化された主力一人一人に生まれたワセダを代表する責任感が、1点差勝利に結びついた。

 大学日本一でのみ熱唱が許される「荒ぶる」に王手をかけた。相手は2カ月前に17―49で敗れた帝京大だ。優勝を経験した最後の世代でもある相良は、「必ず優勝して歌う」と決然として語った。

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