青学大 「危険水域」オーバー 駒大と2分3秒差の3位 原監督「可能性がゼロのタイム差ではない」

[ 2023年1月3日 05:07 ]

第99回東京箱根間往復大学駅伝 往路 ( 2023年1月2日    東京・大手町~神奈川・箱根町 5区間107・5キロ )

3位でゴールする青学大5区・脇田(撮影・尾崎 有希)
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 芦ノ湖に到着した監督車から降りてきた青学大の原晋監督(55)は無表情だった。往路を終え、首位・駒大と2分3秒差の3位。総合連覇に黄信号がともり「危険水域は1分半と思っていたが、2分…。想定していた山決戦で敗れた。脇田はインカレも3大駅伝も出たことがない。1発目から活躍できるほど箱根は甘くなかった」と肩を落とした。

 勝負と位置づけた山上りで誤算が起きた。前回5区3位の“若の神”こと若林(2年)が前日に体調不良を訴えて欠場。当日エントリーで起用した3大駅伝初出場の脇田(4年)が想定より2分近く遅いタイムで区間9位に沈んだ。4年間山上りの準備を積んできたが、下り適性もあり本来は6区を予定。直前の区間変更に対応できず「落ち着いて入れたが、そこからペースが上がらなかった。申し訳ない」と号泣した。

 4区までは想定通りだった。1区はトップと20秒差とやや出遅れたが、2区のエース近藤(4年)が区間2位の快走。中学時代まで愛知県拠点の同じクラブに所属した中大・吉居大(3年)に2秒差で区間賞を譲ったが「小さい頃から同じクラブだった選手と一緒に走れて幸せだった」とチームを3位に押し上げた。4区の太田(2年)も区間2位。4区終了時点で駒大とタイム差なしの2位につけたが、山上りで大差をつけられた。

 指揮官は復路最長区間の9区に前回7区区間賞の岸本(4年)投入を明言。前回大会MVPの中村(4年)も控える。原監督は「可能性がゼロのタイム差ではない。山下りで1秒でも差を詰めて、7区を終えて1分30秒差以内なら前にプレッシャーもかかる。箱根駅伝は何が起こるか分からない」と逆転を諦めていない。今大会は世界平和と2連覇をかけて「ピース大作戦」を発令。復路でV字回復を狙う。

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2023年1月3日のニュース