中大2位 吉居大2区制した!駒大・田沢、青学大・近藤とのデッドヒート抜け出す「凄く幸せな時間」

[ 2023年1月3日 05:08 ]

第99回東京箱根間往復大学駅伝 往路 ( 2023年1月2日    東京・大手町~神奈川・箱根町5区間107・5キロ )

3区にたすきをつなぐ中大・2区・吉居大(右から2人目)(撮影・会津 智海)
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 23・1キロと最も距離が長く、各校のエースが集う“花の2区”で中大の吉居大和(3年)がトップに躍り出たのはラスト100メートル付近だった。駒大の田沢、青学大の近藤とのデッドヒートを制し、チームを押し上げる1時間6分22秒の区間賞。03年に同じ2区で区間賞を獲った藤原正和監督(41)からの「よくやった!」の声に、誇らしげに右拳を突き上げた。

 「どうしても区間賞を獲りたい気持ちだった。区間賞候補の2人と一緒に走れる凄く幸せな時間で、最後に勝ちきることができて凄くうれしい」

 4位でたすきを受けて序盤から飛ばし、3キロ過ぎにトップに飛びだした。区間新を狙う予定通りのペース。ただ中盤12キロで田沢に抜かれ、今度は14キロで近藤に並ばれ、「崩れかけた」。それでも同じ愛知県のクラブ出身で、「幸太郎君」と呼んで慕う近藤が「ついてこい」というジェスチャーをくれた。苦しい上り坂。必死に食らいついたことで、走りにリズムが戻った。

 前回は1区で最古の区間記録を破る走りを見せた。だが、その後はケガに苦しんだ。昨年5月に右膝腸脛(ちょうけい)じん帯を負傷。痛みが取れず、夏合宿では思うような走行距離を消化できず。不安に押しつぶされそうになった。だが、師の「陸上人生に必ず生きる」の言葉に勇気をもらった。その藤原監督以来、中大勢20年ぶりの2区区間賞だ。

 トップでたすきを渡した同じ3年の中野も3区区間賞の快走でつなぎ、1年の弟・駿恭(しゅんすけ)も4区で区間5位の力走を見せた。エースがけん引し、往路優勝した01年以来22年ぶりの往路2位。往路に3年生以下を配した藤原監督は「選手は100点。設定タイムを上回ったので、勝てなかったのは監督の差でしょう」と称え、復路に向けて「4年生を多く配置したので、“4年生力”で勝ちたい」と続けた。最多14度の優勝を誇る名門が、30秒差を追う。

 ≪3区中野も区間賞「4区、5区の人に楽に走ってもらえるように」≫3区をトップでたすきを受けた中野が1時間1分51秒で区間賞に輝いた。3秒差で出て後続を寄せつけない快走。2区の同学年のエース・吉居大が区間賞を獲得しており、「自分もしっかり区間賞を獲って4区、5区の人に楽に走ってもらえるように頑張ろうという思いだけだった」と胸を張った。この中大の快走にツイッター上では、実況アナウンサーが発した「大手町発箱根行き中央特快」がトレンド入りした。

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