渡辺倫果がGP初出場で逆転V 「私でいいのかな…」から歓喜のフィニッシュ スケートカナダ

[ 2022年10月30日 05:36 ]

フィギュアスケートGPシリーズ・スケートカナダ第2 ( 2022年10月29日    ミシソーガ )

<スケートカナダ女子フリー>日の丸をかざす渡辺倫果(撮影・長久保 豊)
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 女子フリーが行われ、GPシリーズ初出場でSP6位の渡辺倫果(法大)は134・32点をマークし、合計197・59点で優勝した。

 冒頭でトリプルアクセル(3回転半)を成功。これで勢いに乗ると、続く3回転ループも決めた。連続ジャンプでの回転不足や3回転ルッツで着氷の乱れもあったが、大きなミスなくフィニッシュ。感極まった表情で力強くガッツポーズした。

 「初めてのGPシリーズで緊張したりとか、1週間前に派遣が決まって調整が難しかったりとか…。いろんな面で苦労があったけど、その中で今できる自分の最大限の演技ができた」

 当初、スケートカナダは樋口新葉(明大)が出場することになっていたが、ケガの影響により今季を全休することになった。渡辺の出場が発表されたのが今月12日。与えられた調整期間は短かく、かつGPシリーズは自身にとって初めてだった。

 「ジュニアから数えても初のGP。元々(出場が)ない状態からいただいた。うれしい気持ちが勝っているし、私でいいのかなと思う部分も出てくるのかなと思うけど、ほかの皆さんに“倫果ちゃんで良かった”と言ってもらえた。自分ができることをやって、GPファイナルとか大きい大会を経験できれば良いなと思っていた」

 中学3年だった17年にカナダへ練習拠点を移した。だが、20年にコロナ禍で帰国し、その後は日本で練習に励んできた。「戻らないといけない状況になって、1シーズンだけど(木下アカデミーで)浜田先生に見てもらって、こうやって今は中庭先生に見てもらっている。どのピースが懸けても今の私はないし、関わってくれた方に感謝しかない」。第2の故郷ともいえる地でつかんだ栄冠。歩んできた道のりを振り返ると、改めて周りの支えを実感した。

 次戦は日本で開催されるNHK杯(11月18~20日)に出場する。9年前のエキシビションに出演しており「憧れた夢の舞台」と語る場所だ。
 「NHK杯のフリーでは、トリプルアクセルを2本組み込めるようにしたい。自分のできる演技を最大限できるように、難しさよりも楽しみを優先できるように。またNHK杯で頑張りたい」

 GPシリーズ初出場初制覇も通過点。大技の精度も高めながら、さらなる飛躍を目指す。

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