キンクミ 11年189日ぶり“最長ブランク”V王手 通算9アンダー単独首位

[ 2022年10月30日 04:20 ]

女子ゴルフツアー 樋口久子・三菱電機レディース第2日 ( 2022年10月29日    埼玉県 武蔵丘GC=6650ヤード、パー72 )

16番、パーセーブし笑顔を見せる金田(撮影・西尾 大助) 
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 4位から出た金田久美子(33=スタンレー電気)が5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算9アンダーの単独首位に浮上した。初優勝した11年4月フジサンケイ・レディース以来、11年189日ぶりとなるツアー制施行(88年)後の最長ブランク優勝に大きく前進した。2週連続Vを目指す川崎春花(19=村田製作所)が通算6アンダーで2位、渋野日向子(23=サントリー)は通算1オーバーで予選通過した。

 幸運なチップインが独走の予兆だった。2打目を右奥にこぼした2番。残り15ヤードのアプローチが直接カップに消えた。「2番でラッキーなバーディーが来て流れが良くなった」。その後はピンを無理に狙わないマネジメントを完遂。11、12番では10メートルのパットを沈め、スコアを伸ばした。茶髪にへそピアスで自身を「ギャルファー」と呼んだのも今は昔。大人のキンクミが首位に立った。

 今週は「気持ち悪い」と漏らしていた爪先上がりのショットから不安が消えた。通常なら会場入りするはずの火、水曜も金田の姿は岐阜県内のゴルフ場にあった。「苦手な部分を練習させてもらいました」。肩のライン、ボールの位置を微修正。開幕前日の会場入りはプロ生活初の試みとなったが、効果はてきめんだった。

 かつて史上最年少の12歳9カ月で国内ツアー予選を通過した金田も33歳。近年はシードを失い、腰痛も抱える。コントロール重視のハーフショットで難コースを攻略した。前夜は最近はまっているサウナに向かい、水風呂、気の向くままの外気浴を合わせた2セットで心身を整えた。「ふわんとするのが気持ち良くてスッと寝られました」と笑った。

 初優勝から11年189日がたつ。当時、キャディーを務めた橋本道七三(みちひさ)さんが9日に逝去し、金田は「もう一度担いでもらいたかった」と話す。単独首位で迎える最終日。「3打差?いいですねぇ。どんな状況でも自分を信じて。そのために練習してきた」。ルーキーの複数回Vも珍しくない女子ゴルフ界。かつての天才少女が最長ブランクVへ、運命の一日を迎える。

 《ツアー制度施行後、最長記録は9年297日》JLPGAによると記録が残る日本人選手のブランク優勝の最長記録は、池渕富子で85年富士通レディース→97年ヤクルト・レディースの11年210日。88年のツアー制度施行後では中嶋千尋で88年ダンロップ・レディース→98年健勝苑レディース道後の9年297日が最長記録。今回、金田が優勝すれば11年4月24日の初優勝から、11年189日ぶりでツアー制度施行後での最長ブランクを更新する。

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2022年10月30日のニュース