柔道女子・田代、涙の復帰戦V 「やめなくてよかった」オール一本勝ち

[ 2022年10月30日 04:11 ]

女子63キロ級で優勝した田代未来
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 柔道の講道館杯全日本体重別選手権第1日は29日に千葉ポートアリーナで女子7階級が行われ、63キロ級は田代未来(28=コマツ)が5試合をオール一本勝ちし、昨夏の東京五輪以来1年3カ月ぶりとなる復帰戦を優勝で飾った。78キロ超級では昨年の世界選手権覇者の朝比奈沙羅(26=ビッグツリー)が両者反則負けで初戦敗退。来年5月の世界選手権(ドーハ)日本代表第1次選考会を兼ねた大会は、30日に男子7階級が行われる。

 諦めない気持ちが勝利を引き寄せた。決勝は渡辺の積極的な攻撃に苦しめられながらも最後は横四方固めで一本勝ち。田代は「この舞台に帰って来られてうれしい。もう無理かなと思うこともあったけど、どうしても諦め切れなくて…」と目を潤ませた。

 昨夏の東京五輪では女子個人で唯一、メダルを逃した。度重なる故障もあり引退も頭をよぎったが、現役続行を決め、今年2月に左膝を手術。今大会では自分の本心を確認できた。「戦っていたら、やっぱり負けたくない気持ちが強くて…。やめなくてよかった」

 2年後のパリ五輪へ、ようやくスタートラインにたどり着いた。「まだ世界で戦えるレベルじゃない。一つ一つ、悔いのない試合をしていきたい」と表情を引き締めた。

 ≪両者反則負け…朝比奈が初戦敗退≫女子78キロ超級は昨年の世界女王が初戦で姿を消した。ともに指導3で、まさかの両者反則負け。朝比奈は「少し見過ぎてしまった。ギアを上げなくちゃいけなかったのに甘さが出た。自分が積んできた経験を無駄にしてしまった」と悔やんだ。医学生との両立を続けている26歳。集大成と位置づけるパリ五輪への道は険しくなったが、「悔しい気持ちをのみ込んで真摯(しんし)に柔道に向き合っていきたい」と前を向いた。

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