りくりゅう、ペア日本勢初GP制覇へ復活の首位発進 7月に三浦左肩負傷 ゼロからのスタートも不安一蹴

[ 2022年10月30日 04:10 ]

フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダ第1日 ( 2022年10月28日    ミシソーガ )

圧巻の演技で首位に立った三浦璃来・木原龍一組(撮影・長久保 豊)
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 ペアのショートプログラム(SP)では、昨季の世界選手権準優勝の三浦璃来(20)、木原龍一(30)組(木下グループ)が73・39点で首位発進した。7月に三浦が左肩を負傷して調整が遅れたが、今季初戦で完全復活。ペアの日本勢としてGP初優勝へ好発進した。男子SPは17歳の三浦佳生(オリエンタルバイオ・目黒日大高)が94・06点で首位、宇野昌磨(24=トヨタ自動車)は89・98点で2位スタートとなった。

 演技が終わると、三浦と木原は笑顔で抱き合った。練習拠点オンタリオ州での試合。会場からの大きな拍手が好演を物語っていた。自己ベストにこそ届かなかったが、2位に6点差をつける最高のスタート。三浦は「楽しく終われたのが本当に良かった」と喜んだ。

 最終滑走の重圧の中、新曲「You’ll Never Walk Alone」を熱演。序盤のツイストリフトやリフト、3回転トーループで加点を引き出した。スロー3回転ルッツの着氷にミスが出たが、“りくりゅう”の愛称で親しまれる2人は今季初陣から実力を発揮した。

 昨季は北京五輪で日本の団体銅メダルに貢献し、世界選手権で準優勝。順風満帆だったが、今季の船出は厳しかった。7月のアイスショーで三浦が左肩を負傷。2カ月ほど一緒に練習できない日々が続いた。昨季得た自信が「全てなくなった」と木原は明かし「先シーズンの成績を忘れて新しいシーズン」と覚悟を決めた。ゼロからのスタートとして今大会に備えてきた。

 次の26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けて木原は「常にトップ争いに食い込めるようにしたい」と目標を設定。そのスタートとなる今季、ケガがあったからこそ「健康に走り抜けたい」をテーマに掲げた。

 29日のフリーはペアの日本勢として初のGP優勝が懸かる。三浦は「現時点で心配ない」とケガの不安を一蹴し「明日も新しいプログラム。ミス関係なく楽しく終われたら」と前向きに話した。演技後に心から笑えた時、歴史がまた一つ進む。

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