456日ぶり実戦復帰で3位 五輪金のウルフ「きつい。死ぬ」柔道講道館杯

[ 2022年10月30日 16:56 ]

柔道講道館杯最終日 ( 2022年10月30日    千葉ポートアリーナ )

<柔道講道館杯最終日>男子100キロ級準決勝で敗れたウルフ・アロン(後方)
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 男子100キロ級で昨夏の東京五輪以来の復帰戦となった金メダリストのウルフ・アロン(了徳寺大職)は、準決勝で植岡虎太郎(天理大)に指導3による反則負けを喫した。その後の3位決定戦では熊坂光貴(国士舘大)を延長1分27秒、内股で技ありを奪い、表彰台を確保した。

 3位決定戦直後、ミックスゾーンに現れたウルフはその場にしゃがみ込み、「あーきつい。死ぬ。本当に」と一言。清涼飲料を一口含んでから立ち上がり、「死ぬかと思った。試合に戻るまで時間が掛かったので。400日以上のブランクがある。この状態で試合に出て、いい意味で現状確認ができた」と振り返った。

 4月の全日本選抜体重別選手権はケガで、8月のアジア選手権はコロナ感染で欠場していたウルフは、その後は順調に稽古を積んできたものの、「練習と試合は全然別物と感じた」と実感。内股や大内刈りといった足技を得意とし、延長戦に入ってからの「ウルフタイム」と呼ばれるスタミナを生かした戦術が十八番の金メダリストだが、この日は寝技で2試合勝ち、相手よりも先に息が上がる場面が多かった。「元々寝技をやらないのに。自分を見失うところだった」と話した。

 大目標とする24年パリ五輪での2連覇へ、今後は実戦機会を増やして徐々にギアを上げていく方針。「全然復活じゃない」と苦笑いも、「きつかったが、楽しかった」とウルフ。テレビから畳の上へと軸足を移し、五輪2連覇へと突き進む。

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2022年10月30日のニュース