復帰待たれる大野将平が柔道GS東京大会代表に選出 五輪後73キロ級で実戦なし

[ 2022年10月30日 22:23 ]

強化委員会終了後、GS東京大会の代表発表会見に臨む男子日本代表の鈴木桂治監督
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 全日本柔道連盟は30日、千葉ポートアリーナで行われた講道館杯後に強化委員会を開き、12月3、4日に東京体育館で開催されるグランドスラム(GS)東京大会の男子7階級各4人の日本代表を決定した。73キロ級では五輪2連覇中で、東京五輪後は同級での実戦復帰を果たしていない大野将平(旭化成)が選出され、議論を呼んだ。

 GS東京大会は国際柔道連盟(IJF)が主催するワールドツアーの一つで、各国の強豪選手が出場することから、全柔連でも世界選手権や五輪に向けた重要な選考大会と位置づけている。今年の世界選手権優勝者が同大会を制した場合、来年5月の世界選手権(ドーハ)代表に内定することから、2年後に迫るパリ五輪代表争いでも最初の山場に位置づけられている。

 大野は4月の全日本選抜体重別選手権、6月のGSウランバートル大会をいずれも欠場。代表に選ばれていた8月のアジア選手権は最終的にエントリーせず、3連覇の懸かるパリ五輪を目指すかどうかも明言していない。そんな五輪王者の選出について、男子日本代表の鈴木桂治監督は「ここ(の議論)が一番長かった」と明言。賛否両論が渦巻いた中、「また強さを見たくて選出した」と話した。

 稽古やトレーニングは一貫して継続している大野だが、代表に選出されたGS東京大会についても、出場意思は不明だという。鈴木監督は「体と心が一致しなくて苦しんでいると思う。見守るしかない」と五輪2連覇王者の気持ちを慮る。それでも強化責任者の立場から、「世界で戦える心と体を作ることを期待している」と実戦復帰を願った。

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2022年10月30日のニュース