~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑬ 引っ掛け防止

[ 2022年9月30日 12:00 ]

~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑬ 引っ掛け防止
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 最終回のテーマは、アマチュアに意外と多い引っ掛けのミスを防ぐ方法です。奥嶋誠昭コーチによれば、引っ掛けは体の回転が止まることで起きると言います。疲れたときに、その現象がよく見られるとのこと。ではなぜ、体の回転が止まってしまうか。ポイントは上半身の前傾角度にあるそうです。ぜひそれを防いで、スコアアップにつなげましょう。アシスタント役を日大OGで〝白金台女子ゴルフ部〟の加藤みなみさんが務めます。 動画で見る・~奥嶋誠昭コーチの新理論~⑬

 加藤 普段はあまり出ないのに、突然左に引っ掛けることがあります。どう対処したらいいのでしょうか?
 
 奥嶋 加藤さんはその原因について考えたことはありますか?
 
 加藤 自分では体が止まって、クラブフェースを返してしまうことが原因だと思っています。
 
 奥嶋 さすがいいところに気がつきますね。それではなぜ体が止まって、フェースを返してしまうのでしょうか?
 
 加藤 ウーン、自分では返すつもりがないのに返してしまうんですよね。
 
 奥嶋 実は上半身の前傾角度に秘密があります。ダウンスイングの切り返しで上半身が起き上がると、体の回転や下半身の動きが止まりがちなんです。そのままクラブを下ろし続けると、体が起き上がった分、クラブヘッドがボールに届かなくなりますよね?それを補うために腕を伸ばそうとするわけです。それが手を返す動きにつながり、最終的にフェースを返してしまうんですよ。
 
 加藤 ということは、前傾角度をキープして上半身が起き上がらなければ、引っ掛けは防げることになりますね?
 
 奥嶋 その通りです。問題はどのようにして、前傾角度をキープするかです。加藤さんが引っ掛けを打つのはどのようなときが多いですか?
 
 加藤 うーん、ラウンド終盤で割と体が疲れてきたときとか?
 
 奥嶋 体が疲れているのに、ダウンスイングで無理に力を出そうとすると、その反動で上半身が起き上がる傾向があります。これを防ぐには、ダウンスイングの切り返しを行う際、クラブを下ろすのを少しだけ我慢して、先におなかを目標に向けるイメージで回すことです。その意識があるだけでも、上半身の起き上がりを防ぎ、体の回転を止めてしまうこともありません。前傾角度をキープしたままクラブを振れるので、無理に手を返すこともなく、引っ掛けを防げます。
 
 加藤 確かにおなかを先に回すイメージでダウンスイングを行うと、上半身が起き上がりにくい感じがします。
 
 奥嶋 あと、ラウンド後半に疲れを感じてきたら、コンパクトなスイングにすることです。無駄な力を入れようとしないので、前傾角度をキープしやすくなります。
 
 加藤 ちなみに、どれくらいの大きさで振れば良いですか?
 
 奥嶋 イメージとしては、左腕が地面と平行になったところがトップ・オブ・スイングになる感じです。実際はそれよりも振り幅が大きくなりますが、それでもフルスイングのときよりは小さいはずです。コンパクトなスイングを普段から練習しておけば、ラウンド終盤だけでなく、両サイドが危険なホールでも有効です。ボールを曲げたくないあまり、体が止まりがちですからね。ぜひ身につけておきましょう。

(取材協力=ヒルトップ横浜クラブ)

 ◆奥嶋 誠昭(おくしま・ともあき)1980年(昭55)3月26日生まれ、神奈川県横浜市出身の42歳。10歳からゴルフを始める。堀越高から米大学留学を経てレッスン活動をスタート。これまでに谷原秀人や一ノ瀬優希らのコーチを務め、現在は稲見萌寧、木下稜介らの指導を行っている。
 
 ◆加藤 みなみ(かとう・みなみ)1997年(平9)5月13日生まれ、栃木県佐野市出身の25歳。12歳でゴルフを始める。日大卒。大学時代はゴルフ部に所属。ベストスコアは72。将来の活躍が期待される女子ゴルファーを応援するプロジェクト「白金台女子ゴルフ部」のマネジャーとしても奮闘中。

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