小池 10秒22で2位、世界陸上男子100参加標準突破ならずも「手がかりつかめた」

[ 2022年5月9日 05:30 ]

陸上 セイコー・ゴールデンGP ( 2022年5月8日    国立競技場 )

<セイコー・ゴールデンGP>男子100メートルで優勝したコールマン(右端)。左から2人目は2位の小池
Photo By 代表撮影

 男子100メートルは東京五輪代表の小池祐貴(26=住友電工)が10秒22で2位となった。7月に行われる世界選手権(米国)の参加標準記録(10秒05)は突破できなかったが、今後へ手応えをつかんだ。19年世界選手権覇者のクリスチャン・コールマン(26=米国)が10秒09で優勝。多田修平(25=住友電工)は左太腿裏の違和感で欠場した。

 無心のまま小池がスタートラインに立った。10秒29で1組3位となった予選から1時間40分後。追い風0・1メートルの決勝は徐々に加速し、コールマンに次ぐ2位でゴールを駆け抜けた。10秒22というタイムには満足できなくても、表情は明るかった。

 「予選で体が動かなくて“まずいな”と思ったけど(決勝は)吹っ切れて、久しぶりにガムシャラに走ったら感触は良かった。夢中になって走ることが大事だなと思った」

 一つの目標に掲げていた世界選手権の参加標準記録突破はならなかった。ただ、確かな手応えはあった。近年、スタート前に走り方や展開などを頭の中でイメージしてきた小池。安定性を求めて思考を深める分、レース後に物足りなさを感じることも多かった。

 「今日は走り終わった後に“力を使ったな”という感覚が久しぶりにあった。今までは2、3本を走っても体に余裕があったけど、ようやく手がかりみたいなものをつかめたのかなと思う」

 多田や桐生祥秀(日本生命)らが欠場した大会で存在感を発揮。今季は中盤からスピードを上げるスタイルを実践しており「練習で体に染みこませて、本番は思い切った心持ちで臨みたい」と口にした。目標に掲げる「世界選手権の個人種目でファイナル進出」に向け、国立で大きな収穫を手にした。

続きを表示

この記事のフォト

2022年5月9日のニュース