五輪一般チケット、91万人“お断り”…観客「上限最大1万人」決定で販売済み分も再抽選へ

[ 2021年6月22日 05:30 ]

東京五輪・パラに向けた5者協議で会談する(左から)小池都知事、大会組織委の橋本会長、IOCのバッハ会長、丸川五輪担当相
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 東京五輪・パラリンピック組織委員会は21日、五輪の観客数上限を「収容定員の50%以内で1万人」と発表した。東京都、政府、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)との5者協議で合意し、共同声明を発表。会場の上限を超える販売済みチケットは再抽選を行い、約91万枚が削減される。スポンサーなど関係者は会場上限以外に“別枠”で入場が認められる一方で、一般チケットは“落選者”が大量に出る悲劇が現実のものとなった。

 会議の冒頭、IOCのバッハ会長は「Here We Go(さあ、始めよう)」と機嫌良く話した。最大の課題だった観客数が、開幕1カ月前にようやく決着。無観客が望ましいとする専門家有志の提言を“黙殺”し、政府のイベント開催制限に準じた「50%、1万人」という日本側からの提案を、IOCとIPCも承認した。

 当初販売されたチケット約448万枚から延期による払い戻しの約84万枚を差し引き、現在は約364万枚が販売済みの状態。上限規定に従って再抽選を行うと、約91万枚が削減されて約272万枚になるという。パラリンピックを含め計約900億円を見込んでいたチケット収入は「半分を下回ると思う。減収分をどう埋めるかは都、国と協議したい」と組織委の武藤敏郎事務総長は明かした。

 7月23日の開会式も再抽選が濃厚だが、上限の観客1万人以外にIOC、競技団体、スポンサーなどの関係者が入場する。全体では2万人が入場するとの報道を、武藤事務総長は「明らかに2万人には至らない」と否定したが、「IOCやクライアントは運営関係者で、観客ではない」との見解を披露。橋本聖子会長は「事前にしっかりコロナ対策をして行動管理ができる方々」と理解を求めたが、ようやく手にしたチケットを泣く泣く手放さざるを得ない一般客が延べ91万人もいる一方で、五輪関係者は“特別”という実態が浮き彫りとなった。

 橋本会長によると、販売された全セッション(時間帯)のうち8割以上が上限に届かず、再抽選や追加販売は実施されない。しかし、上限をオーバーする1割強のセッションでは再調整が必要となる。既に専用システムが準備されているという再抽選の詳細は23日に公表されるが、収容定員の大きい国立競技場や横浜国際総合競技場などのセッションが対象とみられる。購入単位で再抽選するため「4人分購入したのに2人しか行けない」という悲劇はなさそうだが、結果判明は7月上旬の見込み。橋本会長は「大変心苦しいが、ご理解を賜りたい」と話した。

 武藤事務総長は関係者枠について「中には運営関係者でない人もいる。よく見極めたい」と削減する可能性も示したが、観客と別枠の人々がスタンドを占める光景は、果たして国民の理解を得られるのか。

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