プロキャディー杉澤伸章氏 逆転優勝のラーム、豪快さの裏に緻密な準備力

[ 2021年6月22日 05:30 ]

米男子ゴルフツアー 全米オープン最終日 ( 2021年6月20日    カリフォルニア州 トーリーパインズGC=7652ヤード、パー71 )

18番、バーディーパットを沈め雄たけびを上げるラーム(AP)
Photo By AP

 【プロキャディー杉澤伸章熱血リポート】ラーム選手の18番のバーディーパットは難しいラインでしたが「入る」と思いました。右手前のピンを狙った場合、右のバンカーに打ち込むのは想定内。そこからグリーン手前の池に入れるリスクを避けてバーディーを取るには奥に打って下りのパットを決めるしかない。練習日に予習していたはず。リハーサル通りにやったということだと思います。

 ラーム選手と同組で練習ラウンドを回ったことがあります。右ラフ、左ラフ、さらに遠くまで曲がった場合、それぞれどう攻めるかキャディーと綿密に打ち合わせしていました。豪快なイメージがありますが、緻密でクレバーな選手なんです。

 松山選手は優勝争いから遠ざかった後もいろんなことにトライしていました。印象に残るのが第3日の16番パー3。ピンは左奥だったので「右からドロー」がセオリーなのに「左からフェード」というリスクの高いショットを選びました。

 今後、勝負どころで同じショットを打たなければいけない場面が来る。その時に備えて成功体験をつくろうとしているのだと思いました。ラーム選手も松山選手も「準備力」にたけていると改めて感じました。(ゴルフネットワーク・ラウンドリポーター)=終わり=

続きを表示

この記事のフォト

2021年6月22日のニュース