【宇津木妙子の目】上野 五輪延期で「モチベーション」としての新球種には意味がある

[ 2020年9月6日 21:46 ]

日本女子ソフトボールリーグ1部後半開幕節最終日   ビックカメラ高崎1―10トヨタ自動車 ( 2020年9月6日    神奈川県大和市・大和スタジアム )

<トヨタ自動車・ビックカメラ高崎>初回1死一、三塁、トヨタ自動車・古沢に同点となる適時打を浴び悔しそうな表情を見せるビックカメラ高崎・上野(撮影・河野 光希)
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 時速113~114キロを計測したストレートの球速も含め、ビックカメラ高崎の上野が以前から持っていた球種に関しては、威力も精度もキープしていたと思います。敗因は、やはり新球種でしょう。私の見立てでは、右打者内角のボールゾーンからストライクにスライドしていくものに取り組んでおり、素晴らしいコースに決まった球もありました。

 しかし、その一方で左打者の内角には食い込み、死球になっています。実は2年前にも同じような軌道のボールを投げようとしていましたが、その時は下へ落ちながらの変化。この日は指に掛かりすぎ、上方向に変化しており、捕手も捕球に苦しんでいました。ビックカメラ高崎は開幕前、ほとんど練習試合をしなかったそうです。やはり、上野も人の子。ブルペンとは異なる感覚に戸惑いもあった印象で、ピッチャーゴロの処理などにももたついていました。バッテリーや守備陣との間合いもまだまだ、という感じでした。

 ただこの試合に勝つ、という意味でいえば、途中から新球種をやめ、好調だったストレートやチェンジアップによる「上下」のコンビネーションに替えるべきだったでしょう。実際、この日の球審は左右より上下が好きな傾向があり、トヨタ自動車の先発・後藤は上手に使っていました。しかし、上野は先を見据えていたのだと思います。

 五輪1年延期に伴う「モチベーション」としての新球には、意味があると思います。あとはどこまでこだわって、修正していけるか。コロナ禍で異例の短さとはいえ、シーズンは始まったばかり。上野自身の経験とセンスに期待したいと思います。(元日本女子代表監督、日本協会副会長)

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