釜石最後の1試合 ナミビア―カナダ戦は中止 ラグビーW杯、組織委「安全確保が困難」

[ 2019年10月13日 07:10 ]

ナミビア―カナダの試合が予定されていた岩手・釜石鵜住居復興スタジアム
Photo By 共同

 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会組織委員会は13日、台風19号の影響により、岩手・釜石鵜住居復興スタジアムで同日に予定していた1次リーグB組のナミビア―カナダを中止にすると発表した。

 同会場では9月25日にフィジー―ウルグアイが開催され、2011年3月の東日本大震災で津波にのまれた小中学校跡にできたスタジアムに、1万4025人のファンが詰めかけていた。ナミビア―カナダ戦は予定されていた2試合のうちの一つ。再び世界に復興をアピールする絶好の機会だったが、無念の中止となった。

 組織委の嶋津昭事務総長は「我々は、ワールドラグビーと開催自治体とともに、試合の実現に向けて、継続的に協議を進めてきましたが、一部の試合を中止するという決定をせざるを得ませんでした。今回の判断は、観客の皆様、チーム、関係者、ボランティアの皆様、関わる全ての方の安全を優先し行われたものであり、同時に開催自治体の安全への強い思いにも斟酌し、決定に至ったものであります」とコメントした。

 組織委は発表した声明全文は以下の通り。

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 今回の判断に際し、私どもが重要視したのは、観客、選手、大会を支えるスタッフ・ボランティアら全ての関係者が安全に試合をご観戦いただき、運営できること、そして全てのチームに対する一貫性を持った判断のためのラグビーワールドカップ大会規定の遵守です。

 これまで、気象情報提供事業者と気象庁から提供された最新の情報に基づいて、台風19号の進路について注視してまいりました。これまでの情報では10月13日(日)午前中にかけて、東北エリアに引き続き暴風と大雨の影響があることを示しています。

 この状況において、関係機関とも様々な可能性について協議を重ねた結果、公共交通機関の乱れや土砂災害の可能性など、観客の皆様、選手、大会を支えるスタッフ・ボランティアなど全ての関係者の安全を確保することが困難であると判断されることから、開催を断念することといたしました。中止となる試合は、大会規則に則り振替試合は行われません。

 尚、中止された試合のチケットは全額払い戻しさせていただきます。払い戻し方法については、チケットご購入者の皆様に改めてメールでご案内させていただきます。

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2019年10月13日のニュース