【荒磯親方 真眼】朝乃山、先場所“負け越し”の悔しさ胸に「本格化」

[ 2019年9月13日 08:52 ]

大相撲 秋場所5日目 ( 2019年9月12日    両国国技館 )

鶴竜(右)を寄り切りで破った朝乃山
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 鶴竜はもろ差しのうまさと前さばきのうまさがありますが、相手の圧力を感じるのは苦手なタイプです。朝乃山はその横綱にさばかれずに圧力勝ちし、左上手を取って寄り切りました。夏場所で優勝していますが、本格的になった感じです。

 先場所は初の上位との総当たりで負け越しましたが、それが生きています。経験すると人間は強くなります。私も初めて朝青龍と対戦したときは歯が立たなかったのですが、速さや硬さ、強さを感じることで「上位で戦っていける」という気持ちになりました。朝乃山も悔しさを糧に稽古を積んで、しっかり修正してきました。

 嘉風の引退は残念でなりません。力を抜かない貴重な存在で、おかげで場所前から本気の稽古ができました。普段から相撲のことをしっかり考えている力士で、食べ物やサプリメントのことで熱い議論をした思い出もあります。今後は親方として一緒に二所ノ関一門を引っ張っていければと思っています。 (元横綱・稀勢の里)

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2019年9月13日のニュース