朝乃山、会心初金星 横綱挑戦3度目 左上手ガッチリ“横綱相撲”で鶴竜撃破!!

[ 2019年9月13日 05:30 ]

大相撲 秋場所5日目 ( 2019年9月12日    両国国技館 )

ファンと共に記念撮影に応じる朝乃山(撮影・郡司 修)
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 西前頭2枚目の朝乃山が横綱・鶴竜を寄り切り、3度目の横綱挑戦で初めて金星を挙げた。圧力をかけて右四つ、左上手の得意の形に持ち込み圧倒した。一人横綱が1敗に後退し、全勝は大関復帰を目指す関脇・貴景勝、平幕・隠岐の海の2人だけになった。

 一瞬の勝機を逃さない。右差しで出た朝乃山は鶴竜の右下手投げをこらえ、届くところまで近づいた左上手をガッチリつかんだ。得意の形になれば休まず攻める。追い込んだ土俵際、下手で振られても生命線の左上手を離さず寄り切った。

 3度目の横綱挑戦で初金星、しかも会心の内容。区切りの幕内100勝にも達し、引き揚げた支度部屋では自然に頬が緩む。「横綱を相手に自分の相撲を出し切って勝てたのがうれしい。絶対に最初(立ち合い)からは上手を取れない。前に出ながら無理やりにでも上手を取ろうと思った」。鶴竜と初対戦した名古屋場所は左上手を引けないまま出て、肩透かしで転がされた。夏巡業で磨いた圧力を生かし、横綱のうまさを上回った。

 同じ富山出身アスリートの活躍が発奮材料だ。先月末に柔道の世界選手権男子90キロ級で銀メダルを獲得した向翔一郎と同大会前に対面する機会があった。その後の活躍に「自分も負けたくない」とパワーをもらった。

 違う分野のヒーローからも激励されている。今場所は同郷の人気ユーチューバー「はじめしゃちょー」から自身を指定した15日間通しの懸賞がある。「声援だけでなく、懸賞という形でも応援してもらえるのが相撲のいいところ」。勝ち名乗りでは、これを含めた33本(力士の手取り99万円)をつかんだ。

 先月31日に左脚に蜂窩(ほうか)織炎を発症し、場所前1週間は満足に稽古できなかった。「焦りと不安しかない」まま臨んだ場所でも存在感を示す。やはり夏場所の平幕優勝はダテじゃない。

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