女子団体追い抜き3連続世界新V、美帆先頭増やし3秒01更新

[ 2017年12月10日 05:30 ]

スピードスケートW杯第4戦 ( 2017年12月8日    米国・ソルトレークシティー )

スピードW杯第4戦第1日 女子団体追い抜きを2分50秒87の世界新で制し、喜ぶ(左から)高木美、高木菜、佐藤
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 開幕し、女子団体追い抜きは高木美帆(23=日体大助手)、佐藤綾乃(21=高崎健康福祉大)、高木菜那(25=日本電産サンキョー)の日本が2分50秒87の世界新記録で圧勝。第3戦のタイムを3秒01も更新し、今季全3レースを世界新で制した。女子500メートルは小平奈緒(31=相沢病院)が36秒50の日本新記録を出し、W杯14レースを含め同種目22連勝とした。

 笑顔のメンバーとは対照的に、滑った直後の高木美は息も絶え絶えだった。6周のうち3・5周で最も空気抵抗のある先頭を務めた。圧巻の世界新にも「喜ぶ力が残っていなかった。疲れました」。全員が力を出し切る理想的なレースを展開した。

 過去2戦からさらに戦術を練った。前週を終えデビット・ヘッドコーチは、頭一つ抜けた力量を誇る高木美の先頭を増やすプランを打診。エースは「頑張ろうと思った」。高木美が先頭で滑る周回を、これまでの3周から半周増やし、2番目に先頭に出る佐藤はスピードに乗せる区間で負担が大きいため、1・5周から1周に軽減。佐藤は「半周で全然違う。スピードをキープできた」と役割を果たした。

 後半もハイペースを保ち「3人とも力を出し切った」(高木菜)という状態でゴール。宿敵オランダがベストメンバーでないとはいえ、4秒70もの差をつけぶっちぎった。2分52秒台に目標を設定したデビット・ヘッドコーチも「マジカルだ」と称賛した。

 高木美は、メダルは厳しいとみられていた3000メートルも第3戦で優勝。1000メートルでも出場2レースで2位2回。今季無敗の1500メートルを含め、期待は高まるばかり。14年ソチ五輪で金メダルを獲得したオランダは五輪シーズンのW杯全レースを制した。そのオランダと同じ“金メダルロード”を突き進む日本の大黒柱は「ここが五輪ではないし、安心とか自信はない」ときっぱり。平昌で金メダルがはっきりと見える結果にも、エースに過信はない。

 ▽男女団体追い抜き日本代表選考方法 正選手3人はW杯代表(個人種目含む)の選手および対象競技(男子1500メートル、女子3000メートル、男子5000メートル)の各種目上位6位以内の成績を残した選手の中から、強化部長とコーチが協議して選考する。補欠は五輪代表の中から出場可能な選手1人を選考する。

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