五輪メダル狙える新スター、桃田「あっと言わせる」意識で魅せる

[ 2016年3月18日 15:08 ]

バドミントン男子シングルスの桃田賢斗

 バドミントン界に新スターが誕生しようとしている。男子シングルスで昨年、大ブレークした桃田賢斗(21=NTT東日本)は同4月のシンガポール・オープンで日本男子としてスーパーシリーズ(SS)初優勝、最年少優勝(20歳)を果たすと、6月のインドネシア・オープンで2勝目を挙げ、8月の世界選手権では銅メダルを獲得。12月の年間上位8人で争うSSファイナルを初制覇し、リオデジャネイロ五輪メダル候補に名乗りを上げた。21歳の強さの秘密とは――。

 昨年12月の全日本総合選手権決勝。一昨年の決勝で敗れた佐々木翔(トナミ運輸)とのリベンジマッチで、新エースの強さが垣間見えた。第1ゲームを3―8から8連続得点で逆転して先取すると、第2ゲームは「ゾーンに入った」と振り返った通り、完璧な試合運びで初の日本一に輝いた。その中で最も気になったのは、第2ゲーム19―9と日本一まで、あと2点と迫った手に汗を握る場面。佐々木が力なく足元から崩れ落ち、チャンピオンシップポイントを取った1球だ。桃田は解説する。

 「世界のトップは難しい駆け引きをしていて、(世界トップ3と呼ばれる)リー・チョンウェイ(マレーシア)のようにスマッシュを打つタイミングでクリア(大きく遠くに返す球)を1、2本入れるだけで状況は変わってくる。20点を取ったときは僕が(相手を)つまずかせた。ためて、スマッシュを打つタイミングでクリアを打った。あの1球はしてやったりという感じ」

 世界で勝つために、桃田はトップ選手の試合を見て研究を重ねている。しかし、決勝での1球は「やろうと思ってたわけじゃない」と特別に練習を積んだわけではなかった。確実に得点を決めたい緊張する場面。冒険せず、安全に返すことが一般的なセオリー。そこで「打ってやろう」とひらめき、実際に打つことができたのは、1年で培った自信があったから。そして、その自信が余裕を生み、「みんなをあっと言わせたい」という“遊び心”を引き出したのだろう。

 憧れのスポーツ選手はブラジル代表のネイマール(バルセロナ)。「陽気な感じと人を魅了するプレーが好き」。桃田の理想とするプレーの原点と重なる。夢の舞台でどんな駆け引きを繰り広げるのか。桃田が世界中をあっと言わせるような意表を突くプレーで魅せたとき、表彰台が見えてくる。(後藤 実穂)

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