宮里藍 逆転女王へ“崖っ縁”7差40位

[ 2010年11月6日 06:00 ]

1番、チップインイーグルを決め、バンザイをする宮里藍だったが…

 【ミズノクラスック】米ツアー賞金ランク3位の宮里藍(25=サントリー)はイーグル発進もスコアを伸ばせずにイーブンパーの40位。女王争いのライバルたちが好発進し、逆転女王に向けて崖っ縁に立たされた。

 華々しいスタートの勢いがすっかり静まってしまった。首位とは7打差の40位。「ストレスがたまっても自分がやるべきことは同じ。毎年やっているので、このコースで他の人のスコアが伸びるのは分かっている」。宮里はもどかしさを抑えて話したが、致命傷になりかねない大きな出遅れとなった。
 滑り出しは最高だった。1番パー5の3打目、残り32ヤードの花道から58度のウエッジで低く打ち出した。「凄くいいリズムで打てた。イメージ通り」というアプローチはエッジから転がって、そのままカップイン。いきなりのイーグルにコースには歓声がこだまし、宮里はその中心でバンザイして喜んだ。
 しかし、結果的に見せ場はここだけだった。5、7番と1メートル強のバーディーパットを続けて外すと、12番パー4では2打目をグリーンの奥にこぼし、3メートルのパットがカップに蹴られてボギー。「ストロークの問題ではなくて、タッチと読みが合っていない」。ロングパットもカップをかすめるばかりで決まらず、グリーン上の苦戦がそのままスコアに直結した。
 米ツアー賞金女王争いのライバルとなる崔羅蓮(賞金ランク1位)は4位、申ジエ(同2位)は首位といずれも好発進。崔羅蓮が優勝した場合には宮里は2位でなければ女王の可能性が消滅する。ラウンド後の練習グリーンではキャディーのミック・シーボーン氏と30分以上の“反省会”を行い、2日目からのチャージに向けて気持ちをリセットした。安定したショットと5メートルをねじ込んだ最終18番のパーパットは2日目以降への光明。「トップが7アンダーなら、自分にも出せる可能性はある。きょうの感じなら、かみ合えばビッグスコアは出る」。夢をつなぐためにも、このままでは終われない。

 ▽宮里の逆転女王の可能性 米女子ツアーは今大会を含めて残り3試合。来週のロレーナ・オチョア招待と12月の最終戦は、優勝賞金が22万ドルと22万5000ドル。来週は予選落ちがなく、崔羅蓮が最下位でも7591ドルが上積みされる。そのため、2試合でばん回可能な額は最大で43万7409ドル。現在の崔羅蓮と宮里の差は33万7819ドル。今大会で崔羅蓮が優勝すると宮里が2位の賞金(10万9523ドル)を獲得しない限り、逆転は不可能になる。

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2010年11月6日のニュース