安藤がSP3位から逆転優勝!鈴木が2位

[ 2010年11月6日 18:29 ]

女子で優勝した安藤美姫のフリー演技

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦、中国杯最終日は6日、北京で行われ、女子はショートプログラム(SP)3位の安藤美姫(トヨタ自動車)が演技後半に八つのジャンプを決めてフリー1位となり、合計172・21点で逆転してGP通算4勝目を挙げた。日本女子では今季初制覇となった。SP2位の鈴木明子(邦和スポーツランド)はジャンプのミスが目立ってフリーも2番手で、162・86点の2位と変わらなかった。SP首位の長洲未来(米国)は146・23点で4位。

 ピアノと弦楽器の調べに乗り、黒いドレスに身を包んだ安藤が次々とジャンプを決めていった。そのたびに拍手は大きくなる。日中関係の悪化も、華麗な舞を目にした観客には無関係のようだ。「応援してくれて滑りやすかった」。鮮やかな逆転劇を祝福し、サインや写真撮影を求める中国のファンに笑顔で応えた。
 混戦のSPから一転、フリーはライバルを圧倒した。勝因は攻撃的な構成。ジャンプの得点が1・1倍となる開始2分以降の演技後半に三つの3回転、さらに2連続、3連続のジャンプも組み込んだ作戦が結実した。
 後半最初に予定した2回転半―3回転は「その前に時計を見たら1分45秒で(2分を待っていたら)タイミングがずれちゃった」と後ろが2回転になったが、スタミナ勝負の残り2分に得点を稼ぎ、得意のフリーでGP4勝目を引き寄せた。
 五輪シーズンの重圧から解放された今季は「楽しく、挑戦」がテーマ。オフを満喫し、ラトビアの小さな街でシーズンに備えた。均整の取れた体形で初戦を迎えたが「まだ絞れる。そうすればジャンプももっと良くなる」と満足はしない。
 「ベテランだと思われるが、まだ22歳」とモロゾフ・コーチ。経験豊富な元世界女王の輝きは衰えていない。

 ▽安藤美姫の話 ジャンプで大きな失敗がなかったのが優勝につながった。次のロシア杯へも弾みがつく。(日中関係の緊張が高まる中で)中国の観客も応援してくれて滑りやすかった。

 ▽鈴木明子の話 悔しい気持ちでいっぱい。後半は焦って気持ちばかりが前に行った。去年優勝していたし、SPで2位につけて欲が出たのかもしれない。(共同)

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2010年11月6日のニュース