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まだまだ突っ走る!沢 今季リーグ戦初ゴールで大勝に貢献

[ 2012年9月16日 06:00 ]

<大阪高槻・INAC神戸>前半、ヘディングシュートを放つ沢

なでしこリーグ第10節 INAC神戸6-0大阪高槻

(9月15日 万博)
 ロンドン五輪のため中断していたリーグ戦が約2カ月ぶりに再開。なでしこリーグ杯で準優勝に終わったINAC神戸は、なでしこジャパンのMF沢穂希(34)の今季初得点、高瀬愛実(21)のハットトリックなどで大阪高槻に6―0と大勝し、首位を守った。
【順位表】

 野性の勘が体を突き動かした。2―0で迎えた前半34分。FW高瀬のシュートをGKがはじいたところに沢が飛び込み、右足でスライディングシュート。ゴール右隅に突き刺した。リーグ戦では昨年10月30日の浦和戦以来321日ぶりの得点。観戦した「キャプテン翼」の作者・高橋陽一氏の前で、沢自身がモデルとなった「楓ちゃん」のような笑顔がはじけた。

 「ゴールが取れてうれしい。いいところに転がってきてくれた。あとは詰めるだけだった」。前半途中から大粒の雨が滴り落ち、滑るピッチ。高瀬への感謝を口にしたが、GKのファンブルをかぎ取った“らしい”得点だった。

 もう迷いはない。三浦知(横浜FC)から「やれるまでやってほしい」と背中を押され、ロンドン五輪後もなでしこジャパンでプレーし続けることを決意した。帰国後、大野ら五輪の疲れの残る代表組は別メニュー調整をした時期があったが、沢だけはフルメニューを消化。34度目の誕生日を迎えた6日、メッセージをくれた丸山(大阪高槻)には「まだまだ突っ走ろう」と返信。女子サッカー第一人者としての責務を果たす意欲も示した。

 9日のなでしこリーグ杯決勝で日テレに競り負け、INAC神戸は44戦ぶりの黒星を喫した。しかし、昨年の女子W杯決勝では延長後半に起死回生の同点弾を決め、ロンドン五輪決勝でもアシストを記録したように、重要な一戦での勝負強さは健在だ。なでしこジャパンは年内の活動予定が決まっていないが、元気いっぱいな沢が来年も中心となる可能性は高い。

 「カップ戦を落としたけどリーグ戦、全日本女子選手権のタイトルにはこだわっていきたい」とまずは目先の戦いに集中する。世界の頂点を極めても、どこまでも勝利を求めていく。

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