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風間宏希 海外修業で“父子鷹”の重圧を克服

[ 2012年9月16日 06:00 ]

<川崎・鹿島>中盤でボールをさばく風間宏希

J1第25節 川崎F2―2鹿島

(9月15日 等々力)
 川崎Fの風間宏希は積極的にゴールを狙った。前半1分、風間宏希は右足でチーム最初のミドルシュート。同14分には30メートルの位置から再び右足で狙った。「最近ミスを恐れて消極的になっている。ゴールを狙っていきたい」。初得点はならなかったが中盤の底から攻撃に厚みをつくった。

 風間監督の長男として、弟・宏矢とともに7月に川崎Fに入団。元日本代表MFで、有名な解説者の父の名前が先行した。しかし、「高校の時は自分を見てほしいという気持ちが強かった。今は気にしてないです」と意に介さない。

 海外での経験が意識を変えた。10年に清水商を卒業し、ポルトガル3部のロウレターノに入団。しかし、登録の問題で半年間試合に出場できなかった。クラブ関係者からは「大丈夫だ」と言われ続けたが「人を信用できなくなりました」。スペインの日本領事館まで書類を取りにポルトガルから自ら車を飛ばしたこともある。並行して家事や語学の勉強も行った。「自分で全てをやらなければならず、自分を見つめ直す機会になりました」。人に頼らず、自分で考え行動する意識が根付き、周囲の雑音にも惑わされなくなった。J初の父子鷹と注目されても、今はチームのために力を発揮することしか考えていない。

 ▽風間 宏希(かざま・こうき)1991年(平3)6月19日、広島県安芸郡府中町生まれの21歳。97年にドイツから帰国し清水一中―清水商。10年ポルトガル、11年からドイツ4部コブレンツでプレー。U―13からU―19まで各年代別代表に選出。1メートル77、70キロ。利き足は右。

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2012年9月16日のニュース