沢 輝き戻った!カナダ戦フル出場「楽しい90分間だった」

[ 2012年7月27日 06:00 ]

<日本・カナダ>サポーターに笑顔で手を振る沢(中央)左は川澄、右は海堀

ロンドン五輪女子1次リーグF組 日本2-1カナダ

(7月25日 コベントリー)
 日本選手団の先陣を切って登場したFIFAランク3位のなでしこジャパンは同7位のカナダを2―1で下し白星発進した。4度目の五輪となるMF沢穂希(33=INAC神戸)はボランチでフル出場し先制点の起点になるなど攻守に活躍。悲願の金メダルに向け順調に滑り出した。日本は28日のスウェーデン戦(コベントリー)に勝てば1次リーグ突破が決まる可能性がある。

 試合後の取材エリア。沢がどや顔になった。自分のプレーについて「どうでした?」と逆質問。「これまでと別人でしたよ」と称賛されると「言ったじゃないですか。本番には合わせるって」と満面に笑みを浮かべた。

 復活を証明する90分だった。前半5分、近賀のクロスからファーストシュート。前半33分、川澄の先制点の場面では絶妙のループパスを大野に通して起点になった。守りでも佐々木監督が「カミソリスライディング」と名付けたタックルでボール奪取を繰り返した。

 サッカー分析会社「データスタジアム」によるとパス成功率はチームトップの88・3%。特にピッチを3分割した中央のミドルエリアでは97・6%でパスミスはわずか1本。相手ボールを奪い味方の攻撃につなげたプレーがミドルエリアでは阪口と並んでチーム最多の7回を記録した。

 ポルトガル遠征中の3月4日、強烈なめまいに襲われた。帰国後に良性発作性頭位めまい症と診断。医師から「薬を飲んで安静にすれば1、2週間で治る」と言われたが、回復せず日常生活にも支障を来した。人知れず落ち込むこともあった。

 多くの人に支えられた。INAC神戸の星川敬監督は五輪出場を優先させ慎重に調整させた。INAC神戸の山田晃広トレーナーは都内在住で週末だけチームに同行していたが沢のため平日も神戸に滞在した。沢は「必ず結果で恩返しする。五輪には絶対に間に合わせる」と話していた。

 4月22日のなでしこリーグ福岡戦で実戦復帰。6月のスウェーデン遠征で代表に戻った。それでも不安だった。五輪代表発表を2日後に控えた6月30日、親交のあるお笑いコンビ「ペナルティ」のヒデと会食し「(選ばれる)自信がない」と漏らしていた。

 苦難を乗り越え、たどり着いた4度目の五輪。「楽しい90分間だった。最高の舞台で、最高の仲間と戦えるのは幸せ」。沢の復調で、なでしこも本来の姿に戻った。勝てば準々決勝進出の可能性もある次戦スウェーデン戦が、悲願の金メダルへの第2章となる。

 ▽次戦での決勝トーナメント(T)進出決定条件 決勝Tには各組(女子はE、F、G組)2位までと各組3位のうち上位2カ国の計8チームが進出。28日のスウェーデン戦は日本時間午後8時開始予定。○なら勝ち点6となりF組3位以内が確定するが、決勝T進出はまだ決まらない。午後10時45分開始予定のカナダ―南アフリカ戦で、カナダが○か△の場合に日本は2位以内が確定し突破が決定する。南アフリカが○の場合は他の組の結果次第で突破が決まる可能性もある。日本は△の場合でも他カードの結果次第で突破の可能性があるが、●の場合は1次リーグ最終戦(31日、南アフリカ戦)まで持ち越しとなる。

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