菜七子、7週連続Vで大台20勝!待望の初タイトル確定

[ 2019年10月27日 05:30 ]

新潟6Rをチャチャチャで勝った藤田菜七子、左は松田師これが新潟年間20勝目(JRA提供)
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 藤田菜七子(22)が26日、自身初“タイトル”となる新潟年間リーディングの座を当確とした。ともに1番人気だった新潟3R(エアコンヴィーナ)、6R(チャチャチャ)を制して7週連続勝利を飾ると同時に、今年の新潟開催で20勝に到達。27日の新潟で他騎手が乗り代わりの発生などで騎乗数が増えない限り、JRA女性騎手史上初となる競馬場別の年間リーディングをほぼ手中に収めた。これで通算96勝(JRA87勝+地方交流競走9勝)とし、100勝まで4と迫った。

 6Rをチャチャチャで勝った菜七子。表彰式後は次のレースのために足早に検量室へ駆けだしたが、ファンの少年が差し出すプレゼントが目に入った。慌てて引き返して受け取ると「ありがとう!」と笑みがこぼれた。「いつもファンの方が温かいし、奇麗で乗りやすい。私の大好きな競馬場」と話す新潟で、待望の“初タイトル”だ。

 今年JRA40勝のうち半分の20勝が新潟。この日は最初の騎乗の3Rをエアコンヴィーナで逃げ切ると、6Rはまさに新潟を熟知した騎乗だった。初コンビのチャチャチャで先行し、数頭が絡んできても一歩も引かない。菜七子は「後ろの馬がつついてきて厳しい形になった」と振り返ったが、先行集団の我慢比べの構図に持ち込み、後続の脚をそぎ落とした。

 これが菜七子への初オファーだった松田師も絶賛だ。「新潟は引っ張ったり、ためすぎてはいけない。どのレースを見ても彼女は引っ張っていないよね。本当に上手だなと思って見ていた」。タニノギムレット、キングカメハメハでダービー2勝の名伯楽を思わずうならせた。

 23日に発売された人気ファッション雑誌「JJ」では「私たちの明日を変える53人」に選出。馬房の前に白いニット姿でたたずむグラビアショットも掲載された。自身が登場するカレンダーなども「本当はいけないのかもしれないけど、実は恥ずかしくてあまり見られない(笑い)」と照れる菜七子。25日に発表された競馬学校の入学者には27年ぶりに女子生徒が3人も名を連ね、現在も3人が在学中。これまでの菜七子の記録には「女性騎手初」の冠が付きまとったが、今回は違う。自身の力でもぎ取った初タイトル。きっと、女性騎手の明日を変えることになる。 

 【今開催も9勝!W首位見えた】新潟年間リーディングは2位戸崎(13勝)以下、丸山、内田、田辺が日曜は東京で騎乗。日曜に新潟で騎乗する10勝の津村(6鞍に騎乗)、横山武(同10鞍)が乗り代わりなどで騎乗数が増えてかつ、10勝以上しなければ逆転はない。また9勝を挙げる今開催リーディングでも、27日新潟で騎乗する菅原明(同8鞍)、横山武らに6勝差をつけた。

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