中村福助・児太郎の会 児太郎「父が最後にある言葉を」生きるがテーマ 松田凌出演、市川青虎演出 

[ 2024年3月26日 18:57 ]

「第二回中村福助・児太郎の会『三本の糸』」を企画・構成・出演する中村児太郎(中央)、共演の松田凌、演出・脚色の市川青虎
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 歌舞伎俳優の中村児太郎(30)が企画・構成を手掛けた公演「第二回中村福助・中村児太郎の会『三本の糸』」が27日昼の部(開演午後2時)、夜の部(開演午後6時)で上演される。歌舞伎の名作「三人吉三巴白浪」を題材にした作品。父親の福助、中村莟玉、舞台「刀剣乱舞」などで人気の俳優松田凌ら異色コラボが実現し、演出・脚色は市川青虎が手掛ける注目作となった。児太郎、松田、青虎に本番への意気込みを聞いた。(鈴木 美香)

 --福助・児太郎の会の第二弾。児太郎さんはどのような思いを込めて企画されましたか?

児太郎「歌舞伎となるとどうしても敷居が高かったり、すごく難しいというイメージがある中、どうやったらお客様にもっとわかってもらえるかとか、共通理解の中で深まるかなと思った時に、現在のお客様に対して現在の俳優さんたちと共演することにより、レッテルが貼られているものを少しでも崩せないかなと思ったところで、松田凌さんを紹介してもらい、青虎さんにどうしても演出してもらいたいと伝えて実現しました」

 --松田さんは歌舞伎とのコラボは初めてですか?
松田「はい。自分にとっては何か新しい世界に飛び込めるっていうのが一番魅力的に感じる部分があります。そして、児太郎さんや青虎さんといった、今作でご縁がなければ出会わなかったかもしれないという方々との出会いがとてもうれしいですし、自分が知らなかったお芝居の形とかを、稽古場でご一緒させていただくとすごく感じていて、稽古がとても楽しかったです。(歌舞伎役者の)青虎さんの(演出での)導き方がすごく素敵で、しっかりディレクションしてくださって、とても貴重な経験をさせてもらっています」

ーー歌舞伎と現代の人気俳優とのコラボ。どのような舞台になるのか注目です。青虎さんはどのように演出され、そして、その結果、どのような作品になるのでしょうか。
青虎「題材は歌舞伎だけど、どこか現代劇手法も取り入れながら、どこかミュージカルみたいで、どこか歌舞伎みたいでありながらってという作品になりたいと思っています。それぞれの持ち場持ち場で良いところを積み重ねてやっていきたいです」

児太郎「青虎さんには『ヤマトタケル』(東京・新橋演舞場、3月20日千秋楽)の本番がある中、こちらの稽古に来ていただいてありがたい限りでした。澤瀉屋さんチームとして昔から知っている青虎さんが演出で、父も喜んでいて『もっと出番を』と言っていたぐらい、父も前のめりに臨んでいます」

ーーあらためて見どころをお願いします。
児太郎「現代の厳しい世の中で『生きていればいいことがある』という青虎さんのメッセージがあり、父が最後にある言葉を言うんですけど、それが本当に生きていたら何かがある…という生きるという意味を、それをぜひ物語を通じて感じていただけたらと思います。そして、何の予備知識がなくても、わかりやすいセリフだったり、音楽の偉大さ、照明…含めてイメージは完ぺきに出来上がりました。これが本番で舞台化したら、きっと最後に涙を流せるような作品になっているのではと思っています。力を抜いて、その日、その瞬間を楽しんでいただければ、きっといい何かを持って帰っていただけるのではと思っています」

松田「児太郎さん、青虎さんという歌舞伎という伝統を背負っていく方々とご一緒させていただき、その歴史を守っていく形だけではなく、もう一歩二歩挑戦していくということがすごいだと思いました。臆することなく、面白いものを、新しいものを、そして歌舞伎を、お芝居を愛しているからこそじゃないとできないことと思っています。自分もそういった機会に携わらせていただけていることが大きなこと。1日の公演ですけど、だからこそ皆様にはぜひ足を運んでいただきたいと思いますし、これが何かの始まりかもしれないと思っています」

青虎「芸は本当に積み重ね。それが、この瞬間、いろいろなものが出合う。この芝居は、各々の生き様、特に福助さんの生き様といったところが一番大きいと思います。福助さんはじめ演奏家、そしてスタッフ1人1人に至るまでの生き様が込められた作品になっていますので、そのパワーを受け取りに、そういったことは生でこそ感じられるものですので、ぜひ足をお運びいただきたいと思っています」

▽あらすじ
とある村。
政(松田凌)とお静(中村児太郎)は仲睦まじい夫婦。
弟の佐吉(中村莟玉)とも仲良く、幸せな日々を過ごしている。
赤子を身ごもっているお静は無事に三つ子を産むが日本一の剣の使い手、椿鬼座右衛門(安田桃太郎)が村人たちを襲い、その手下によって絶命するお静、政、佐吉。
天つ神(中村福助)の助けにより三つ子はそれぞれの道に分かれて成長する。
ひょんなことから導かれるように出会う三人(中村児太郎、松田凌、中村莟玉)。
三人が実の兄弟と分かると、親の仇を討ちに椿鬼座右衛門のもとへ…。ストーリーテラーとして小見川千明が物語を紐解いていき、越中睦が鬼座右衛門の息子・恨次として、人としての本当の道を問う。
生きるとは何か。自分とは何か。心の奥に潜む弱さ、強さが親子の因縁と共に三本の糸によって巡り絡まり、逃げられない運命の渦に飲まれる。
「三人吉三」を題材に、バロック音楽と邦楽器がコラボレーションし、彩を添える。

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