坂本龍一さん 14日開業「109シネマズ…」の音響監修オファー快諾

[ 2023年4月4日 05:10 ]

71歳で死去した坂本龍一氏(AP)
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 坂本さんは、14日に開業する東急歌舞伎町タワー(東京都新宿区)内のシネマコンプレックス「109シネマズプレミアム新宿」の音響監修を務めている。高校時代、同地にあったミラノ座などの映画館に通い「新宿で学んだものは、僕を大きく変えた」と話していた坂本さんはオファーを快諾。音響に関しては特に電源、ケーブル、増幅(パワーアンプ)にこだわるよう提案したという。「フィルム上映ができるようにしてほしい」とも要請し、35ミリ映写機の導入も決定した。

 オープンを記念し14日から5月18日まで、坂本さんが音楽を担当した「シェルタリング・スカイ」、「トニー滝谷」などを上映する「Ryuichi Sakamoto Premium Collection」を開催。訃報を受け21、22の両日にオールナイト上映イベントも決まった。

 ≪世界各国で報道≫坂本さんの訃報は世界各国のメディアで大々的に報じられ“世界のサカモト”であったことを印象づけた。坂本さんが暮らした米国の「ニューヨーク・タイムズ」や「ワシントン・ポスト」は2日、映画「ラストエンペラー」の音楽でアカデミー賞とグラミー賞を受賞した活躍を振り返り「東洋と西洋の文化的影響を融合させた楽曲を生み出してきた」などと評価した。ニューヨーク・タイムズは坂本さんの作品と日本社会との関わりに焦点を当てた。バブル崩壊後の「失われた10年」の間、ピアノソロ曲「エナジー・フロー」などの楽曲が日本人に癒やしを与えたと伝えた。

 ≪仏紙で大特集「一つの宇宙」≫3日付のフランス紙リベラシオンは坂本さんの写真を1面全体に掲載して報道。社説や評伝など記事は2面から4ページにわたり、社説で「坂本龍一は一つの星にとどまらず、一つの宇宙だった」と存在の偉大さを称えた。坂本さんの死去で「世界は彼の生前のようには音が響かなくなる」と悼んだ。

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2023年4月4日のニュース