ビートたけし “戦友”坂本龍一さんへの心残り「俺の監督で、龍一さんの音楽で1本作りたかった」

[ 2023年4月4日 20:18 ]

1983年、映画「戦場のメリークリスマス」試写会に出席した(右から)坂本龍一さん、大島渚監督、ビートたけし
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 タレントで映画監督のビートたけし(76)が4日放送のNHK「クローズアップ現代」(後7・30)にVTR出演。3月28日に71歳で亡くなった音楽家の坂本龍一さんをしのんだ。

 坂本さんが初出演し、音楽も手がけた大島渚監督の映画「戦場のメリークリスマス」(1983年公開)で共演。たけしが主演した大島監督作「御法度」(99年)では坂本さんが音楽監督を務めた。そんな盟友を悼み、3日には「ただただショックで残念で仕方がなく言葉もありません。『戦場のメリークリスマス』の大島渚監督が亡くなってデビッド・ボウイが亡くなって、坂本龍一さんが亡くなって仲間がみんないなくなってしまい、『戦場のメリークリスマス』は俺だけになってしまいました」とコメントを発表していた。

 番組では、たけしがこの日に語ったインタビューを放送。坂本さんが手掛けた「戦場のメリークリスマス」の音楽を初めて聴いた瞬間を振り返り、「オープニングのテーマを聴いたとき“すげえな、これ”と思って。いい映画は音楽がいつまでも残っていて、俺は『戦場のメリークリスマス』の坂本龍一のあの作曲は驚いた。才能があるっていうか、教授っていわれるだけのことはあるなと思った」と語った。

 その後、坂本さんは映画「ラストエンペラー」(87年)の音楽で米アカデミー賞作曲賞を受賞。たけしは89年に監督デビューし、97年に「HANA―BI」でベネチア国際映画祭最高賞の金獅子賞に輝くなど海外で数々の賞を受賞した。ともに世界の舞台で活躍することになったが、たけしは坂本さんについて「ある部分、誇りに思う」と感じていたという。

 インタビューを担当したNHKの桑子真帆アナウンサーから、坂本さんの訃報を受けて「悔やまれることがあるとすると」と質問されると、「やっぱり、『戦メリ』が終わった後に俺の監督で、龍一さんの音楽で1本作りたかった」と思いを吐露。最後に坂本さんへのメッセージを聞かれると「面白かったし、やることやったよなって感じはあるよね。やり残したことはいっぱいあるけれど、それなりにやったろって。俺はまた別だろうけど、龍一ちゃんはちゃんと作品を通じて残っているから。いい作品を残して、いいじゃないのって。悲しいことだけど、龍一ちゃんはいろんな仕事できたはずだけど、人間はいつか区切りがくるし、そういう時にまあいいか、ということじゃないかと思うけどね」と語っていた。

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