日本人初の金メダリスト・織田選手が「三段跳び」命名

[ 2021年8月4日 05:30 ]

1928年のアムステルダム五輪陸上男子三段跳びで日本選手初の金メダルを獲得した織田幹雄
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 【クイズ王・伊沢拓司の五輪の書(12)】日本はすでに今大会で過去最多の金メダルを獲得しています。日本が五輪に初参加したのは1912年ストックホルム大会ですが、初の金メダル獲得は28年アムステルダム大会を待つことになりました。種目は陸上の三段跳び。織田幹雄選手が15メートル21を跳んで優勝し初の栄誉に浴しました。

 ところがいざ表彰式というところで、ある問題が。日本の国旗がなかったのです。当時、日本勢の実力はあまり知られておらず、運営側も、日本からメダリストが出るとは想定していません。慌ててアムステルダム市内の百貨店に問い合わせしたそうですが、日の丸はありませんでした。

 それでも、日の丸は揚がりました。4位に入った南部忠平選手が、優勝したら体に巻いてウイニングランをしようと持ち込んだものを提供したという説が有力です。ただこの旗はとてつもなく大きく、2位の米国、3位のフィンランドと比べて4倍もありました。織田選手をはじめ、日本選手団にとっては随分と誇らしい光景だったのではないでしょうか。

 実は「三段跳び」の名付けの親も織田選手です。英語で「ホップ・ステップ・アンド・ジャンプ」と言われていたことから、はじめは「ホ・ス・ジャンプ」などと呼ばれていました。その名称が長すぎるということになり、織田選手が「三段跳び」と提案し認められたのです。

 三段跳びでの日本勢は32年ロサンゼルス大会では南部選手、36年ベルリン大会では田島直人選手が優勝と3大会連続金メダル。最初の「お家芸」だと言えるでしょう。男子三段跳び決勝は5日。頂点に立つのは、どこの国の選手でしょうか。

 ◇伊沢 拓司(いざわ・たくし)1994年(平6)5月16日生まれ、埼玉県出身の27歳。東大経済学部卒。開成高時代に全国高校クイズ選手権で史上初の個人2連覇。TBS「東大王」で人気に。19年、株式会社QuizKnockを設立しCEOに就任。

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