茂木健一郎氏、ひろゆき氏を真似る“論破ブーム”に警鐘「試してみたらいい、絶対にうまくいかないから」

[ 2021年6月28日 15:45 ]

茂木健一郎氏
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 脳科学者の茂木健一郎氏(58)が28日、自身のYouTubeチャンネルを更新。日本最大級の掲示板サイト「2ちゃんねる」(現5ちゃんねる)創設者の「ひろゆき」こと西村博之氏(44)から端を発する「論破ブーム」に警鐘を鳴らす場面があった。

 茂木氏は「日本のネットを見てると『論破』っていうのが、流行ってるみたいで本当にくだらないなと思うんです。ひろゆきが『論破の達人』と言われていて、実際に見ていてて面白くて。ひろゆき自身はいいんですよ、論破ってのは元々切れすぎるナイフみたいなもんでね。それだけでは生命活動を支えられないわけです」と、問題点を提起。

 「論破ってディベートですらないというか。ディベートっていうのは、自分の立場と違う立場もちゃんと響き合わせてやるんですけど。日本のYouTubeとかで流行っている論破って単なる言いっ放しというかね。断片的なテーマを提示して、その場で何か相手をやり込めた体にする技術でしかないわけで。そういうのに憧れちゃったりとか、騙されちゃう人たちは本当によくないと思います」と、指摘した。

 「たまたま、ひろゆきを例に挙げてますけど、ひろゆきだって人生いろいろとあるわけです。例えば2ちゃんねるの運営とかね。そういうところでは、論破のアプローチではいかないわけですよ。複雑さは複雑のまま、扱わないといけないわけで。論破ではビジネスはできないんです」と、続けた。

 「ひろゆきは私生活もそうだし、いろいろな複雑なことがあるなかで、たまたま『論破』っていうのが表面で出てきた。ひろゆき自身はそこを理解してるんだけど、ひろゆきに騙される若者たちというのは、そこだけでいけると思っていて。試してみたらいいと思うんだよ、そういうふうに人生やってみて果たしてうまくいくのかって。絶対にうまくいかないからね」と、強く注意していた。

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