西内まりや 「全裸監督」で女優復帰 「この4年で考えたことを届けられる」

[ 2021年6月28日 10:00 ]

Netflixオリジナルシリーズ「全裸監督 シーズン2」でサヤカを演じる西内まりや
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 【牧 元一の孤人焦点】モデルの西内まりや(27)がNetflixで全世界独占配信中のオリジナルシリーズ「全裸監督 シーズン2」で女優復帰した。

 2017年の主演ドラマ「突然ですが、明日結婚します」から4年。18年に事務所を退所して独立してから初めて芝居に心を傾けた発端は、19年に配信された「全裸監督」の魅力に触れたことだった。

 西内は「芝居から離れていたこの4年間は自分自身と向き合う時間でした。正直、作品を見ることはあまりなかったのですが、そうした中で、一気に見た作品が『全裸監督』でした。衝撃でした。心が震えました。これまでのドラマの概念を超えたもの、テレビの地上波では絶対にできないもの、深く踏み込んで本質的なところに向き合っている作品だと感じました。作品を通して、演者さんやスタッフさん一人一人の熱意を感じました。アダルトの世界が扱われていても、見ているこちらが恥じらいを感じることなく、すんなりと入っていくことができました」と話す。

 アダルトビデオで一世を風靡(ふうび)した村西とおる監督の半生を描いたドラマ。西内が演じた高級キャバクラのホステス・サヤカはオーディションで決まった。

 「オーディションの話をいただいて、脚本を読ませていただきました。今までにやったことのない役柄でしたが、サヤカの気持ちが痛いほど良く分かりました。自分自身と共鳴しました。サヤカは満ちあふれるパワーや存在感がありつつも、壊れやすく人間臭い。私も中学生の頃からモデルをやっていて『格好いい』『まりやちゃんみたいになりたい』などと言われ、あこがれられる人間でなければならない、強くあらねばならないと思っていた半面、自信がない部分、弱い部分がたくさんありました。私が経験してきたこと、芝居から離れていたこの4年間に考えたことをサヤカを通して、見てくれる方々に届けられるのではないか、誰かの背中を押すことができるのではないかと思いました」

 オーディションで、総監督を務める武正晴監督らと対面。サヤカを演じて見せるだけではなく、作品への熱い思いを伝えた。

 「オーディションは10年近く受けていなかったので、空気感が新鮮でした。役者を始めた中学生の頃を思い出して、初心に帰った気持ちになりました。この年齢になったからこそ、オーディションに対してあまり気張らずに向き合うこともできました。私が『全裸監督』から受けた熱を返そうと思い、サヤカのセリフを言い終わった後、『作品に対する思いを語らせてください』とお願いしました。武監督に『時間がないので、控室で待っていてもらえますか』と言われ、オーディションが全て終わるまで待った後、自分がなぜこの作品に出演したいかということを熱く語らせていただきました。監督から『あなたも物作りができる人間』と言われ、すぐに合格の連絡をいただいて、うれしかったです」

 初登場は高級キャバクラの階段を下りてくる場面。堂々とした歩き方、自信に満ちた笑顔が印象的だ。

 「あの場面は存在感、強さが必要だと思いました。サヤカがキャバクラのナンバーワンとして輝いていることと、私自身がファッションや音楽の世界で表現してきたことが重なりました」

 4年の芝居の空白を一気に埋める鮮烈な再始動となった。(つづく)

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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