成瀬國晴選 タイガース川柳大賞

◆成瀬 國晴(なるせ・くにはる)
1936年大阪市生まれ。イラストレーターとして、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、商業デザインなど幅広い分野で活躍。レポーター、番組司会者、コメンテーターとしての顔も持つ。 日本漫画家協会会員。大阪府知事文化功労者表彰。第24回上方お笑い大賞審査員特別賞受賞。2007年大阪市市民表彰(文化功労者部門)、関西ディレクター大賞・特別賞受賞。
成瀬國晴HP【naasanillust.mond.jp

タイガース川柳(9月第3週 週間賞)

[ 2023年9月20日 05:30 ]

 <週間賞>
スポーツ紙 全部岡田が 舞っている
(大阪府東大阪市 真田 重雄)

 <佳作>
胴上げに 星空からも 駆けつける
(徳島県小松島市 谷本 良裕)

優勝と 晴れて口にし 恵比須顔
(三重県桑名市 中島 康博)

アレ決めた 犠飛で大山 らしいなあ
(大阪府泉佐野市 浜田 竜哉)

ついにアレ 次に目指すは あそこかな
(石川県輪島市 打良木 敦)

 【講評】
 選考委員長・成瀬國晴(イラストレーター)

 阪神タイガース、18年ぶり6度目のリーグ優勝おめでとう。

 祝の句が全国から320句も届いて選句にうれしい悲鳴を上げた。

 みなさん、おめでとう。そして、ありがとう。

 14日、積年のライバル・巨人を倒して岡田監督が聖地で舞った。

 翌朝のスポーツ紙は真田重雄さんが詠むように全紙、岡田監督の胴上げ写真だった。
 「全部」と真田さんがあえて詠むところにこの句には「穿ち」が効いている。

 監督に続いて胴上げされた岩崎投手は亡き同僚・横田慎太郎さんの登場曲でマウンドに上がり、そのユニホームを握りしめて宙に舞った。

 谷本良裕さんの句からは喜びの輪にいる背番号24が見えるようだ。

 やっと自らアレを「優勝」に解禁した岡田監督の笑顔を中島康博さん、うまく表現した。

 アレを決めた巨人戦で大山選手が6回1死一、三塁で決勝の犠飛をセンターに打ち上げた。

 その後の佐藤輝選手の3年連続20号よりもらしいなあと評価する吐息が不動の4番打者にはふさわしい。

 シーズンはまだ続いている。

 「アレ」がCSで「あそこ」に変わるとしても阪神タイガースが次に目指すものは変わらない。

 打良木敦さん「あそこ」だよ、「あそこ」。

 ▽応募方法  〒530―8278 スポーツニッポン新聞社報道部「タイガース川柳」係。メールはyakyuu-o@sponichi.co.jp、ファクスの場合は(電)06(6346)8574まで。〒住所、氏名、年齢を記入のこと。次回はレギュラーシーズン最終日必着。掲載は翌週火曜日。今シーズン最終回です。どしどし投句してください。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る