成瀬國晴選 タイガース川柳大賞

◆成瀬 國晴(なるせ・くにはる)
1936年大阪市生まれ。イラストレーターとして、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、商業デザインなど幅広い分野で活躍。レポーター、番組司会者、コメンテーターとしての顔も持つ。 日本漫画家協会会員。大阪府知事文化功労者表彰。第24回上方お笑い大賞審査員特別賞受賞。2007年大阪市市民表彰(文化功労者部門)、関西ディレクター大賞・特別賞受賞。
成瀬國晴HP【naasanillust.mond.jp

タイガース川柳2022(9月度月間賞 10月第1週 週間賞)

[ 2022年10月4日 08:00 ]

 <月間賞>
最終日 今季のすべて てんこ盛り
 (大阪府摂津市 前川 照男)

 <週間賞>
最終日 今季のすべて てんこ盛り
 (大阪府摂津市 前川 照男)

 <佳作>
一敗も できぬ口火の 拓夢弾
 (和歌山県かつらぎ町 窪田 泰壽)

村上に 敬意を払い 斬って捨て
 (千葉県松戸市 堀 卓)

超人の 跡を継ぎます 20号
 (香川県宇多津町 中山 喜博)

どうせなら 最後にデカイ 史上初
 (兵庫県西宮市 やぶちゃん)

 【講評】
選考委員長・成瀬國晴(イラストレーター)

 喜怒哀楽、起伏が多い今季のレギュラーシーズンが終了した。

 最終戦の前日にAクラス(3位)が決定しクライマックスシリーズ(CS)に進出することになった。

 ヤクルトとの最終戦の2日は秋晴れの日曜日で甲子園球場は超満員の観客が余裕をもって矢野監督ラスト采配を楽しんでいた。

 「諦めない」「超積極野球」「誰かを喜ばせる」オレ達の野球を堪能させてくれたCSにらみの消化試合だった。

 この野球の神様がやった見事な帳尻合わせを前川照男さんは「今季のすべてのてんこ盛り」と詠んだ。

 先発、中継ぎ、抑え投手のオンパレードと野手の総ざらい出場はまさに今季すべてのてんこ盛りの「ファン感謝デー」のような華やかさだった。

 17日から4連敗して5位転落。CSも一時は夢となっていたが、23日から佐藤輝選手の20号弾、原口選手の2号2ランで息を吹き返し、27、28日のヤクルト戦で放った中野選手の口火弾は窪田さんの感動句を呼び、27日の青柳投手と湯浅投手が王貞治さん超えの56号を狙う村上選手を空振り三振に斬って捨てたと詠む堀卓さん。

 「敬意を払い」がいいな。

 糸井選手の引退セレモニーがあった次戦23日の広島戦で、佐藤輝選手が左打者としては初めて新人から2年連続20号の記録打を放った。

 中山喜博さんは、超人を継ぐ意志の2ランと詠む。

 さあ、ここまで来たからには、てっぺん目指し三度目の正直を実現しようよとやぶちゃんさんは夢を見る。

 矢野監督の最後の挑戦だ。

 「雲の上はいつも青空」。

 雲を突き破った今季、青空を思い切り飛び回ってほしい。

 今季もすてきな虎の応援川柳をたくさんありがとうございました。

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