復興へのプレーボール~陸前高田市・高田高校野球部の1年~

高田 初戦敗退も仮校舎にグラウンド完成…ホームができた

[ 2011年7月17日 06:00 ]

きれいに整備されたグラウンドに喜ぶ高田ナイン

 初戦敗退に終わった高田高校ナインだが、大船渡市内の仮校舎でうれしい出来事が待っていた。「わー、グラウンドがきれいになってる!」。試合を終えたばかりの選手は、疲れを忘れてグラウンドへ飛び出した。

 高田高校は津波で校舎の3階まで津波が押し寄せ、校舎が壊滅。廃校になった大船渡農の校舎を利用して学校生活を送る。5月2日に始業式を迎えたが、自衛隊の基地として使用される同校グラウンドには多くの車両が停留していた。

 4カ月を経てその数は3分の1ほどに減少したが、グラウンドは草や小石が散乱。練習を行うにはほど遠い状態で、授業時間を草むしりに費やすこともあったという。しかし、同校を拠点とする青森県弘前市から派遣される39普通化連隊の自衛官らは「できるだけ早く高校生に使わせてあげたい」と考え、車両を校庭から学校周辺に移動。デコボコになった校庭を重機でならすなど、全力を挙げて練習環境を整えていた。

 「これで練習場所を転々としなくてもいいのかな。やっと自分たちのホームができる気がする」と奥村珠久子(しゅくこ)部長。自分たちの居場所を見つけ、高田野球部がまた一歩踏み出す。

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