ソフトB・リチャード 王会長の助言に応える二塁打2本「結果を出したいと思わない。集中します」

[ 2023年2月24日 05:00 ]

練習試合   ソフトバンク5-2キューバ代表 ( 2023年2月23日    アイビー )

<ソ・キューバ代表>4回、2打席連続の二塁打を放ったリチャード(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクは宮崎春季キャンプ第5クール最終日の23日、初の対外試合となるWBCキューバ代表との練習試合を行った。リチャード内野手(23)が先制適時二塁打など2本の二塁打。前日22日の練習で王貞治球団会長(82)から助言を受け、キューバ代表主砲で元チームメートのデスパイネとの会食で刺激を受けた鷹のロマン砲が、さっそく輝きを放った。試合は5―2でソフトバンクが快勝した。

 肉厚な巨体から放たれた打球はいずれもライナーで左中間を襲った。リチャードは初の対外試合で2打席連続二塁打。打点も1をマークし、好発進した。

 「練習でやっている打球じゃない。ナックルがかかっているのでちゃんと回転をかけないと。でも、いいスイングはできています」 0―0の2回2死一塁の初打席。初球の直球を叩いて先制適時二塁打。3―0の4回1死では148キロ内角直球をフェンスに直撃させた。いずれも、ファーストストライクを確実に仕留めた。

 王球団会長の熱血指導に、きっちりと応えた。22日に再び宮崎入りした王会長はティー打撃、フリー打撃、ロングティーでロマン砲に密着。「前で打て、前で打て、前で打て!」と呪文のように言い聞かせた。

 この日の試合前。同会長は「われわれとしてはリチャードの期待は大きい。三振を気にせず、強気に爆発して花を咲かせてもらいたい」と声を大にした。直後に結果を残し「いい感触で打ててたね。打って自信を付けてくれたら」と、ご機嫌で宿舎に戻った。

 相手がキューバ代表だったのもリチャードにスイッチを入れた。敵の4番DHがデスパイネ。昨季までの仲間だ。22日の練習後、宮崎牛の焼き肉店で会食。「(飛行機が遅れ)閉店ギリギリのラストオーダーに来て鶏肉ばかり食べていた。自分は、牛タンとか」。試合中に打席での威圧感に憧れも抱いた。「相手から見ても怖いな。僕も、そんな打者にならないといけない」。同じ肉厚重量級、右の大砲として自覚が芽生えてきた。

 紅白戦では14日の初戦と21日の最終5戦目に、いずれもバックスクリーン弾。そして対外試合の初戦で左中間二塁打2本。集中しゾーンに入れば大砲として期待できる。いつもは辛口な藤本監督も、さすがにうなずいた。「今日は内容が良かったね。これを続けてくれたらありがたい。どんどん結果を出せばレギュラーもね」。それでも、リチャードは慌てない。「結果を求める、結果を出したいと思わない。去年1軍でいい結果は1回もなかったので。集中します」。着実に魅せ続ける。(井上 満夫)

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2023年2月24日のニュース